「内製化」に取り組む大企業の割合は? 調査から浮上したDX推進企業の“ある考え”
IDCが実施した調査によって、DXを推進する大企業の中で内製化に取り組む企業の割合と、内製化の対象としている業務内容が明らかになった。IDCはここから大企業の「ある考え」が浮かび上がったとしている。
IDC Japan(以下、IDC)は2024年3月25日、国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)とDB(デジタルビジネス)を支援するITサービス、ビジネスサービスの需要調査の結果を発表した。
「内製化」に取り組む大企業の割合、対象の業務は?
今回の調査は、DX、DBイニシアティブ(推進)の進行状況と、各種DX、DB支援サービスの利用状況や支援サービス事業者の利用動向、DX、DBイニシアティブにおけるITの内製化の実践状況などを把握することを目的として、従業員規模1000人以上の大企業のDX担当者(DX、DBイニシアティブに従事するマネージャー層から経営層)を対象に2024年2月に実施された。
調査レポートによると、大企業のDX、DBイニシアティブの8割以上で、ビジネス変革支援やテクノロジー実装支援といった何らかの支援サービスが利用されていることが分かった。また、今後1年間の支援サービスへの支出額の増減に関しては、「増える」が61.1%、「変わらない」が32.4%となり、支援サービスに関する需要は高いとIDCはみている。
DX、DBイニシアティブにおけるITの内製化の取り組みについてはどうか。DX、DBを推進する企業の75%は内製化を実践している。内製化を実践する企業の約6割は全工程ではなく、一部工程の内製化を志向していることがわかった(下図の左)。一部工程の内製化を志向する企業では、企画や設計、要件定義など、上流工程を中心とした内製化を志向する割合が高かった(下図1の右)。
IDCの村松 大氏(Software & Services マーケットアナリスト)は、次のように説明する。「DX、DBを推進し、ITの内製化に取り組む企業の約6割が一部工程の内製化を志向していることや、上流工程の内製化を志向する割合が高いことから、適切なプロジェクトコントロール力の獲得意向がうかがえる」
関連記事
- 日立は「生成AIを活用するための組織づくり」をどう進めているか 徳永副社長に聞く
企業は生成AIとどう向き合い、どう活用していくべきか。そのヒントを探るべく、生成AIの活用を積極的に進めている日立製作所の德永副社長に話を聞いた。 - 生成AIを「クラウドで活用する際」の3つの勘所――AWSパートナーイベントから考察
AWSがパートナー施策で生成AIに関する取り組みに注力している。その内容からユーザー視点で重要な「生成AIをクラウドで活用する際のポイント」を考察したい。 - 「ガリガリ君」の赤城乳業が基幹システムのリプレースで採った方法とは
赤城乳業は、「ガリガリ君」や「ガツン、とみかん」「ミルクレア」などの商品を展開するアイスクリーム専業メーカーだ。変化への対応やイノベーションへの迅速な対応が可能なことから新たなERPを採用した。 - 日立は「生成AIを活用するための組織づくり」をどう進めているか 徳永副社長に聞く
企業は生成AIとどう向き合い、どう活用していくべきか。そのヒントを探るべく、生成AIの活用を積極的に進めている日立製作所の德永副社長に話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.