データが増えすぎ悩むCIO 肥大化するITインフラ管理に与える弊害とは:CIO Dive
クラウド環境において人間では扱いきれないほどのデータが生まれることや技術の複雑化が弊害をもたらしている。
テック企業Dynatraceが2024年3月5日(現地時間)に発表した調査によると、クラウドベースのデータ出力量は人間の処理能力を超えているという(注1)。
扱い切れないデータは企業に弊害をもたらす
調査は1300人のCIO(最高情報責任者)およびその他のシニアITリーダーを対象に実施した。回答者の5人中4人以上が、過去12カ月で扱う技術がより複雑になったと回答し、半数がその複雑さはさらに悪化すると予想している。
マルチクラウド環境には、平均12種類のプラットフォームやサービスが含まれている。回答者の大多数は、技術の複雑化が情報セキュリティと顧客体験の障害になっていると指摘した。
データは企業の意思決定の原動力となるが、流入する情報の管理はIT管理における長年の課題であった。
DynatraceのCTO(最高技術責任者)であるベルント・グライフェネダー氏によると、そのせいで機会を逃していることが問題だという。
同氏は組織がデータを知見に変える能力を持たないなら、ITや運用の問題を発見するのに時間がかかり対応が遅れることになると述べている。
回答者の5人中4人は、手作業でログ管理や分析を行っていては、最新のマルチクラウド環境が生み出す大量のデータに対応できないと主張する。
2024年2月に発表されたForrester Researchのレポートによると、データドリブンなビジネスを運営することはハイパフォーマンスなIT運用における7つの主要な要素のうちの1つであり、効果的なデータ戦略は、人材やプロセス、データ、技術によって決まるという。
「高いパフォーマンスを実現するには、適切な組織の役割調整と責任によってガバナンスと俊敏性のバランスをとることと、分析アプリケーションをローコード開発できるようにすることが重要だ」(Forrester Research)
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