“生成AI依存”が問題になり始めている 活用できないどころか顧客離れになるかも?
ガートナージャパンが、生成AI頼りの顧客対応を続けると顧客離れを起こすとする予測を発表した。生成AIの品質が未熟であることが理由だという。
ガートナージャパンは4月24日、生成AI頼りの顧客対応を続けると80%の企業が顧客離れを起こすとする予測を発表した。
なぜ生成AIが顧客離れを引き起こすのか?
同社によると、顧客対応ツールとして生成AIを採用し、過度に依存すると2027年までに80%の企業が効果を享受するどころか顧客離れを引き起こすとしている。その理由について同社の池田武史氏(バイスプレジデントアナリスト)は生成AIの品質を挙げている。
「顧客対応ツールとして生成AIを採用する企業は増えていくが、生成AIは相手の起源や感情を適切に感じ取って態度を変える機能は十分ではない。技術に頼るだけでは顧客の不振や不満を増大させないかは慎重に考えて提供することが推奨される」(池田氏)
生成AIには回答の信頼性など、チューニングなしに利用するには乗り越えるべき壁が多く、提供する際はユーザーに人間と生成AIのどちらが対応していることを明示することでユーザーの期待値をコントロールするのが重要だという。
目的が不明瞭では80%が技術導入に失敗
ガートナージャパンは、生成AIに限らず技術を活用した変革を目指す場合は、パートナーや顧客も巻き込んで戦略的なアプローチをとる必要があるとしている。技術導入の他、制度やルールの変更、業界におけるエコシステムの構築が求められるため、継続的な取り組みや技術の浸透が難しい事例が多いという。
池田氏はまた、ゲームチェンジは一企業の思惑では実現できないため、外部を巻き込んで新たなエコシステムを構築することが重要としている。
「ビジネスの変革は短期的な収益拡大を目指す取り組みとは違い、パートナーや顧客の未来への期待までも内包したグランドデザインを提示できるかどうかがイノベーション推進を加速する要因の一つだ」(池田氏)
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