Red Hat、生成AIツール「Red Hat Lightspeed」を全ポートフォリオで提供
Red Hatは生成AI「Red Hat Lightspeed」を同社のプラットフォーム全体に拡大すると発表した。ユーザーはこれによって自然言語を使って同社のポートフォリオを扱うことができ初心者にも扱いやすくなる。
Red Hatは2024年5月8日(現地時間)、米国コロラド州デンバーで開催中の「Red Hat Summit 2024」において、IT自動化プラットフォーム「Red Hat Ansible Automation Platform」に2023年に導入されたコード生成AI「Red Hat Ansible Lightspeed」を同社のプラットフォーム全体に拡大し、生成AIツール「Red Hat Lightspeed」として提供すると発表した。
Ansible Lightspeedはユーザーの自然言語による質問などを基に「Ansible」のIaC(Infrastructure as Code)用にコードを自動生成する。これによってプラットフォーム初心者にはより扱いやすく、経験豊富なプロフェッショナルには効率改善が期待できる。Red Hat Lightspeedはこれらの機能をコアプラットフォーム全体に拡張する。
全製品にRed Hat Lightspeedを組み込んで業務効率化を支援
ハイブリッドクラウドの利用が進むにつれて、IT環境は複雑化し、これを管理・運用する工数も増えている。Red Hat LightspeedはAIの活用によってインフラ管理の負荷軽減を目指すものだ。ユーザーはこれを使うことで、ミッションクリティカルな環境でオープンソース技術の使用に関するRed Hatの膨大な量の知識を特定の状況に応じた形で引き出せる。
「Red Hat OpenShift Lightspeed」は従来のアプリケーションやクラウドネイティブアプリケーションを「Red Hat OpenShift」のクラスタにデプロイする方法に生成AIを適用し、アプリケーションのライフサイクル管理を簡素化し、リソースの需要に応じたスケーリングを実現する。
OpenShiftの初心者はアプリケーションプラットフォームの実行に必要なスキルをより迅速に構築および開発でき、エキスパートはOpenShift Lightspeedで業務負荷を軽減できる。Red Hat OpenShift Lightspeedには問題発生時に解決方法を提案する機能も実装される予定で、2024年後半に提供見込みとなっている。
「Red Hat Enterprise Linux Lightspeed」は「Linux」環境のデプロイや管理、保守を簡素化するのに役立つ。この機能はRed Hatの数十年にわたる「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)運用の専門知識に基づいて構築されている。生成AIを使用してユーザーがよくある質問に迅速に回答し、新たな問題を解決できるように支援する。
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