Windows 11 Homeの次期バージョン、BitLockerを自動で有効化へ:セキュリティニュースアラート
Tom's Hardwareは、Windows 11の次期バージョンでBitLockerがデフォルトで有効化されると報じた。この変更はクリーンインストールやシステムアップグレード時に適用され、ユーザーは必要に応じて無効化できる。
コンピュータ情報サイトの「Tom's Hardware」は2024年5月8日(現地時間)、「Windows 11」の次期バージョンでストレージ暗号化技術「BitLocker」がデフォルトで有効化され、クリーンインストールや再インストール時に自動的に適用されると報じた。必要に応じてユーザーは手動でBitLockerを無効化できる。
Win 11でBitLockerがデフォルト有効化 パフォーマンスに影響の懸念も
BitLockerはこれまで、「Windows 11 Pro」のユーザー限定だったが、今回新たに「Windows 11 Home」のユーザーにも拡張される。暗号化のためのパフォーマンス低下やデータアクセス問題が生じるリスクがあり、Microsoftは暗号化キーのバックアップを推奨している。
BitLockerは、「Windows 11 23H2」ではWindows 11 Proユーザーに限られていた機能だったが、今後はWindows 11 Homeユーザーでも利用できるようになる。ただしWindows 11 Homeではデバイスメーカーを通じてのみ提供され、UEFIで暗号化フラグが有効にされている場合にのみ適用される。そのため自作PCでWindows 11 Homeを実行している場合はこの影響を受けない。
BitLockerは再インストール時に自動で有効化され、デバイス全体が暗号化される。この動作はWindows 11 24H2のクリーンインストールおよびWindows 11 24H2へのシステムアップグレードの両方に適用される。
懸念点としてユーザーがこの機能を知らずに再インストールした場合、データ損失のリスクがある。BitLockerを有効にしているマシンでストレージに関連する問題が発生した場合、暗号化の影響でドライブの内容にアクセスできなくなる可能性がある。MicrosoftはBitLockerを使用する際に暗号化キーのバックアップを推奨し、これを忘れた場合はデータにアクセスできなくなる可能性があると警告している。
Tom's Hardwareによると、BitLockerはSSDのパフォーマンスに影響を与えるとされ、ワークロードによっては最大で45%の低下する可能性がある。ソフトウェア形式のBitLockerを使用している場合、全ての暗号化と復号タスクがCPUにロードされるためシステム全体のパフォーマンスが低下する可能性もある。
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