富士通が全社規模で自動化を拡大 生産効率40%向上を目指す
富士通は、AIを活用した自動化ツールを全社規模で採用し、最大40%の生産効率向上を目指す。富士通が導入した自動化ツールとは何か。
2024年5月23日、全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトの一環として、富士通がAIを活用した自動化ツールを全社規模で採用したと発表した。
富士通が採用した「AIを活用する自動化ツール」とは?
富士通は、デジタル時代における競争力強化を目指し、2020年10月から全社的なDXプロジェクト「フジトラ」(Fujitsu Transformation)を推進している。同プロジェクトは富士通の製品やサービス、ビジネスモデルに加えて、事業プロセスや組織、企業文化を根本から変革することを目的としている。
同社はビジネスを変革する上でAIを活用した自動化の価値を重視し、グローバルビジネス全体に拡大するため、フジトラプロジェクトのソリューションパートナーの1社としてUiPathを選択した。2017年以降、世界の140以上の部門でUiPathのソリューションを使用し、時間短縮を実現したとしている。今回、全社規模で採用したのは、UiPathが提供するAI駆動のビジネス・オートメーション・プラットフォームだ。
UiPathの活用拡大において、UiPathは、富士通が既存のビジネスプロセスを最適化した上で、自動化主導の新たなビジネスプロセスを設計し、自動化導入の可能性を最大限に引き出すために支援する。富士通は、将来の労働力の変化を見据え、業務の効率化を図る。UiPathソリューションの使用など数々の施策を通じて、長期的には従業員の生産効率の最大40%向上を目指す。
富士通の執行役員EVP最高デジタル変革責任者(CDXO)兼 最高情報責任者(CIO)の福田 譲氏は「自動化は、富士通のビジネス変革を推進するための戦略的優先事項であると考えている。2017年にUiPathのソリューションを導入して以来、自動化がもたらす価値とビジネスの成長を実現する驚異的な能力を目の当たりにしてきた」と述べる。
今回の協業の一環として、UiPathは、「UiPath Academy」の自動化コースやハンズオンおよび技術コンサルティングを通じて、富士通の従業員が自動化に関するスキルを身に付け、市民開発者になれるように支援する予定だ。
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