ZscalerがNVIDIAと提携を発表 AIアシスタント技術の大幅強化を計画:セキュリティニュースアラート
ZscalerはAIアシスタント技術の強化を目的にNVIDIAと提携を発表した。NVIDIAのマイクロサービス群などをZscaler Zero Trust Exchangeに組み合わせて、データ処理能力の向上を図る。
Zscalerは2024年6月11日(現地時間)、AIアシスタント技術の強化に向けてNVIDIAと提携すると発表した。
Zscalerが同社のソリューションにNVIDIAのAI技術を適用
NVIDIAのAIマイクロサービス群「NVIDIA NIM」などによって、ZscalerのAIを活用したクラウドセキュリティプラットフォーム「Zscaler Zero Trust Exchange」で収集したデータの処理能力の向上を図る。また、サイバー脅威から企業をプロアクティブに防御し、ITやネットワークの運用を簡素化するZscalerのAIアシスタント「Zscaler ZDX Copilot」の能力を強化する計画だ。
Zscalerで事業開発および企業戦略担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるプニット・ミノチャ氏は次のように述べている。
「サイバーセキュリティベンダーにとって、AIを進化させることは、攻撃者に対する優位性を維持する上で重要な要素となっています。Zscalerは、AIによるAIの保護に尽力しており、今回のNVIDIAとの提携は、サイバーセキュリティ市場における当社の優位性をさらに強化するものです」
Zscaler Zero Trust Exchangeは1日当たり4000億件以上のトランザクションを処理する大規模クラウドセキュリティプラットフォームだ。Zscalerはここに最先端の予測および生成AIの力を活用することでこれまで検出が困難だった脅威や異常を迅速に特定、捕捉し、これに対処できるようにする。
NVIDIAのAI技術を活用して提供されるソリューションは以下の通りだ。
- Zscaler ZDX Copilot with NVIDIA Morpheus: AIを活用したセキュリティフレームワーク「NVIDIA Morpheus」を導入することで、サイバーセキュリティ関連の大量のストリーミングデータのフィルタリングや処理、分類に最適化されたアプリケーションの開発を可能にする。これによって大量のデータでAIパイプラインを最適化し、リアルタイムの脅威検出が可能になる
- Zscaler ZDX Copilot with NVIDIA NIM: NVIDIA NIMを活用し、ローカルの大規模言語モデル(LLM)を通じてデータ保護スイートに最も適した最先端の生成AIモデルおよびマルチモーダル機能を適用できるようになる
ITの運用を効果的に管理し脅威に大規模に対処するには、企業は膨大な量のデータを活用し、プロアクティブなセキュリティ態勢を整える必要がある。Zscaler ZDX CopilotはAIチャットbot開発ツール「NVIDIA NeMo Guardrails」を活用し、ネットワークやデバイス、アプリケーションのパフォーマンスに関するインサイトを提供し、ITサポートとIT運用の簡素化を実現する。
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