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「なぜかファイルがごみ箱行きに……」 MicrosoftがWordのバグを報告:セキュリティニュースアラート
Microsoftは、Word for Microsoft 365で特定の条件を満たす場合、保存後にファイルが削除される問題が発生したと報告した。この現象については調査中であり、暫定対応策が提示されている。
Microsoftは2024年10月7日(現地時間)、「Word for Microsoft 365」(以下、Word)で特定の条件を満たす場合にローカルに保存したはずのファイルが削除されるリスクがあると発表した。
修正アップデートはまだ提供されておらず、暫定対応策として削除されたファイルをごみ箱から復元する、Wordを閉じる前に手動で保存する、オプションを変更することなどが説明されている。
Wordのファイルがなぜかごみ箱に…… 削除されるファイルの条件は
ファイルが削除される可能性があるWordの条件は以下の通りだ。
- Word for Microsoft 365 version 2409を使っている
- タイトルが大文字のファイル拡張子.DOCXを含んでいるか、.RTXを含んでいるか、#を含んでいる
Microsoftによると、さらに次の手順で保存した場合、保存後にファイルが削除される可能性がある。
- ファイルを編集してからWordを閉じようとして、そのタイミングでファイルの保存を求められて保存した場合
同問題については現在MicrosoftのWordチームが調査中で、修正アップデートなどは提供されていない。Microsoftは問題を一時的に緩和する方法として次の項目を取り上げている。
- ごみ箱から削除されたファイルを探してリストアする
- Wordのウィンドウを閉じる前に明示的にファイルを保存する。ファイルを保存する前にウィンドウの[X]をクリックしてWordウィンドウを閉じようとした場合に問題が発生することが確認されており、ウィンドウを閉じる前にファイルを保存した場合には問題が発生しないことが分かっている
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」→「キーボードショートカットを使ってファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない」オプションを有効化する
「Microsoft 365」のWordを使っている場合にはMicrosoft 365のWordのバージョンを確認しておきたい。バージョン情報は「ファイル」→「アカウント」→「製品情報」→「Wordのバージョン情報」から確認できる。該当バージョンを使っている場合、ファイルが削除される条件で使わないようにする他、ウィンドウを閉じる前にかならず明示的に保存処理を実施するといった操作を取ることが望まれる。
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