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HPEがAI向けサーバに新しい選択肢 より少ないGPUでAIトレーニングに最適化、電力消費量も抑制
HPEはAIモデルのトレーニングを加速させる新しいソリューション「HPE ProLiant Compute XD685」を発表した。この製品はAMDのプロセッサーおよびアクセラレーターを搭載し、AIトレーニングに最適化されている。
ヒューレットパッカードエンタープライズ(HPE)は2024年10月17日、AIモデルのトレーニングに特化したサーバ製品「HPE ProLiant Compute XD685」を発表した。より少ないGPUでAIトレーニングが可能になる構成が特徴だ。
GPUの供給不足や、稼働時の電力消費量の増加やそれに伴うコスト、CO2排出量の増加といったAIトレーニング実行時の課題に対応した仕組みが盛り込まれる。
より少ないGPUでAIトレーニングが可能になる仕組み
HPE ProLiant Compute XD685は、第5世代「AMD EPYCプロセッサー」および「AMD Instinct MI325Xアクセラレーター」が搭載可能とされており、複雑なAIモデルのトレーニング向けに最適化されている。HPE ProLiant Compute XD685の主な特徴は次の通りだ。
- 少ないGPUで大規模AIモデルを実行: 「AMD CDNA 3」アーキテクチャーを採用した「AMD Instinct MI325X」アクセラレーターの採用によりAIのパフォーマンスと効率性を向上させている。MI325Xアクセラレーターは6TB/秒のメモリー帯域幅を備えた「HBM3e」メモリーを搭載しており、パフォーマンスを最適化し、TCOを削減する
- エネルギー効率を最大化するDLCオプション: HPEが長年にわたって開発を続けてきた直接液冷(DLC)方式の採用により、電力需要への対応やサステナビリティ目標の推進に寄与し、運用コストを削減する
- 迅速な導入と安定した運用: HPE Servicesが柔軟なサービスを提供し、AIクラスターの導入と運用をサポートする。工場であらかじめソリューションの構築や統合、検証、徹底的なテスト、カスタマイズを実施することでオンサイトでの迅速な展開を実現する
- 脅威を増すセキュリティのリスクからの防御: 「HPE iLO」(Integrated Lights Out)を搭載することでセキュアな管理をシームレスに実行する
- ラック密度の最適化: HPEが設計した5Uサーバーシャーシによりラック密度を最適化している
- 大規模なAIクラスターの管理を簡素化: システム管理ソフトウェア「HPE Performance Cluster Manager」により、ベアメタルを自動的にセットアップでき、複雑なシステムの迅速な起動が可能になる
HPE ProLiant Compute XD685はAIサービスプロバイダーや大規模なAIモデルを構築する企業、政府機関など、幅広いユーザーに対応している。すでに早期見積もりが開始されており、2025年初頭からの出荷が予定されている。
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