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Pythonが1番人気になった影で2位転落の“あの言語” GitHub年次レポート「Octoverse 2024」発表
GitHubは年次レポート「Octoverse 2024」を公開し、PythonがGitHubで最も使用されるプログラミング言語となったことを発表した。世界中で開発者数も増加しており、特にアフリカ、ラテンアメリカ、アジアでの急成長が目立つ。
GitHubは2024年10月29日(現地時間)、2024年の年次レポート「Octoverse 2024」を公開し、Pythonが最も「GitHub」で使用されているプログラミング言語となったことを報告した。この背景にはデータサイエンスやML(機械学習)を含むAI分野での利用増加がある。
また、世界中の開発者数が増加し、特にアフリカ、ラテンアメリカ、アジアでの急成長が目立つ。さらに生成AIプロジェクトの貢献度が59%増加し、「GitHub Copilot」の利用者も増加していることが示されており、AIとオープンソースが技術革新を後押ししていることが強調されている。
2位転落の「あの言語」 Pythonは開発者コミュニティーが急増
同レポートの主なトピックは次のとおりだ。
- Pythonが最も人気のあるプログラミング言語に:PythonがJavaScriptを抜き、GitHubで最も使用される言語となった。データサイエンス、AI、機械学習、学術分野のユーザーがGitHubを活用しているためと考えられており、「Jupyter Notebook」の使用率が92%増加したことも一因とみられている。Python(1位)、JavaScript(2位)、TypeScript(3位)、Java(4位)がGitHubで最も広く使われている言語であることに変わりはないが、Rustのようなシステムプログラミング言語も増加傾向にある
- 開発者コミュニティーの急成長:世界各地で開発者が急増し、特にアフリカ、ラテンアメリカ、アジアで顕著な伸びが見られる。またGitHubの開発者数のトップは現在米国だが、2028年にはインドの開発者人口が世界最大となることが予想されている。GitHub Copilotを採用している学生、教育者、オープンソースメンテナーの数も前年比100%増加している
- 生成AIの急速な普及:GitHubでの生成AI関連プロジェクトの貢献度が59%増加し、プロジェクト数全体でも98%増加している。米国以外で活動がより活発になってきており、特にインド、ドイツ、日本、シンガポールなどの開発者が貢献している
GitHubではこれまで10年間、JavaScriptが最も使用されているプログラミング言語だった。しかしMLを含むAIや機械学習関連の技術で使われるPythonの人気が急速に高まったことにより、JavaScriptを抜いている。また、ShellがCの順位を抜いた他、RustやGoなどのプログラミング言語の利用者が増加傾向にあることも報告されている。
同レポートは2023年10月1日から2024年9月30日までにGitHubから取得した匿名化されたユーザーデータとプロダクトデータを基に作成された。
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