SNSでまん延する偽ギャンブル詐欺 AIを駆使した高度な攻撃に要注意:セキュリティニュースアラート
Group-IBはSNSで偽ギャンブル広告が拡散し、個人情報や資金を狙う詐欺が急増していると報告した。AIを活用した多言語対応などによって信ぴょう性が高められ、ユーザーが詐欺に引き込まれるという。
Group-IBは2024年11月28日(現地時間)、オンラインギャンブル詐欺に関する最新の調査報告を公開した。詐欺師がSNSを通じて偽のギャンブル広告を拡散することで被害が急増しているという。このような詐欺は個人データや金銭を盗むことを目的としており、被害者に重大な経済的損失を与える可能性がある。
世界中でまん延するギャンブル詐欺 AIの悪用した高度な攻撃に注意
Group-IBのサイバーセキュリティ対応チーム(CERT)は「オンラインギャンブル詐欺の広告が世界的にまん延している」と指摘する。ユーザーがこれらの広告に反応すると、個人データやお金を盗むアプリをダウンロードするように指示される。不正なアプリは多くの場合、サードパーティーのWebサイトまたはAPKファイルを通じて配布される。
詐欺が成功する理由としてAIを活用した多言語対応が挙げられている。広告に使用される音声はAIで生成され、標的対象の現地の言語が使用されている。また偽のレビューや体験談を利用することで信ぴょう性を高めている。詐欺師はソーシャルメディアや偽のレビューサイトに捏造(ねつぞう)された成功談や写真を投稿して収益性が高く信頼できるゲームであるかのように見せかけ、ユーザーをだましてさらに詐欺に引き込んでいる。
Group-IBの調査によるとエジプトでは200件以上、湾岸協力会議(GCC)諸国で160件、欧州およびアジアで140件以上の詐欺広告が確認されている。これらの詐欺による被害者の中には1万ドル以上の損失を被ったケースも報告されている。さらに被害は個人にとどまらず、広告の多くにフィンテック企業や銀行のブランドが使用されているため、これら企業にも悪影響を与えている。
ソーシャルメディアでの偽賭博ゲーム広告の増加はユーザーへの脅威を高めている。詐欺師は巧妙な手法で個人情報や資金を狙い、ユーザーが抱く「手軽に収益を得たい」という心理を巧みに利用している。これらの詐欺から身を守るために仕組みを理解し警戒を強化することが重要とされている。信頼できる公式ストアからアプリをダウンロードすることや簡単にお金が得られるとする広告を疑うなどの対策が推奨されている。
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