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Splunkが予想する2025年の7つのトレンド デジタル・セキュリティ戦略の指針:セキュリティニュースアラート
Splunkは2025年のデジタル環境の変化を見据えたトレンド予測レポートを公開した。7つの予測が提示されており、未来の戦略策定において参考となる。
Splunkは2024年12月16日、2025年のトレンド予測に関するレポートを公開した。急速に進化するデジタル環境の中で組織に大きな影響を与えると考えられるトピックが提示されており、デジタルレジリエンスの強化のために実施すべき取り組みが紹介されている。Splunkの経営幹部およびテクノロジーエキスパートによる予測は、企業が未来の戦略を策定する上で参考になる。
Splunkの7つの未来予測、2025年に備えるためのデジタル戦略の要点
このレポートで紹介されている主な予測は以下の通りだ。
- 政府がついにインシデントの「重大度」を定義する: 政府がサイバーセキュリティインシデントの重大度を明確に定義し、統一された基準およびガイドラインを設定する。インシデントへの対応が標準化され、組織はより効果的なセキュリティ戦略を策定することが可能になる
- デジタルレジリエンスの実現にベンダーのレジリエンスが必須になる: マルチクラウド環境の複雑化に伴い、ベンダーのセキュリティと可用性が組織のデジタルレジリエンスに直結する重要な要素となる。組織はベンダー評価を強化し、障害に備えた事業継続計画を優先的に進めることが求められる
- SOCへの学生参加が行政や公共機関の人材不足を緩和する: 学生のSOC参加が公共機関の人材不足を補い、セキュリティ対応能力の向上に寄与するとされている。この取り組みは学生に実践的なスキルを提供し、行政と教育機関の協力体制を強化するものとされている
- 国際情勢の緊迫化がデータレジデンシーの規制強化につながる: ナショナリズムの台頭により、データの保管場所や利用方法に関する規制が国ごとに異なり、より厳格化される。組織は変化する規制に適応するため、データレジデンシー要件に対応する戦略を立てる必要がある
- AIの探索が終わり明確な目標が見え始める: 組織はAIの無計画な導入を見直し、投資収益率(ROI)を重視した実用的なAIプロジェクトにシフトする。AIは運用効率の向上や従業員のスキル向上に寄与し、より具体的なビジネス成果が求められる時代に突入する
- 大規模言語モデル(LLM)が縮小する: 大規模な汎用モデルから、特定のユースケースに特化した小規模言語モデル(SLM)への移行が進む。この動きによりエネルギー消費の削減や運用コストの低減が期待される
- オブザーバビリティ(可観測)データが製品ロードマップに反映される: オブザーバビリティデータを製品ロードマップに活用することで、IT運用チームやエンジニアリングチームはパフォーマンス向上と顧客エクスペリエンスの最適化を実現できる
Splunkによる予測は、組織がデジタルの未来に対応するための実用的な指針を提供している。特にAIの普及によりデータ活用の効率化や公平性の向上が進むことが予想されており、AIを活用するために従業員のリスキリングや包括的な組織文化を形成することが重要とされている。
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