AIとチャットして営業スキルを磨く Sansanがロールプレイング機能を無償提供 攻略難易度あり

「Sansan」に対話型AIを活用した「AI営業ロールプレイング」機能が追加された。本機能は業界や難易度を指定するだけで商談演習が可能で、終了後には詳細なフィードバックを提供する。

[後藤大地，有限会社オングス]

　Sansanは2025年1月7日、名刺管理および営業情報管理ツール「Sansan」に対話型AIを活用した機能「AI営業ロールプレイング」を実装し、Sansan Labsで無料提供を開始した。営業担当者は業界や難易度を指定して商談演習をできる。

　Sansan Labsは実験的な機能を提供する場であり、「Sansan」のユーザーに無償で新機能を公開している。ユーザーは対話型AIを想定顧客に見立てたチャット形式の商談演習機能で、次の商談日程を取り付けることを目指す。

「初級」と「上級」の顧客はどうちがうのか

　ロールプレイを始める前に「難易度」「業界名」「部署名」を設定する他、必要に応じて相手の企業名や役職、商材や状況の指定もできる。

　難易度は3段階で、初級は「協力的な顧客」、中級は「関心が薄い顧客」、上級は「懐疑的な顧客」だ。

　入力した情報を基にAIが業界動向や有価証券報告書を分析して顧客役としてふるまう。演習終了後にはAIが詳細かつ客観的なフィードバックレポートを提供し、営業スキル向上を支援する。

　本機能は営業現場で従来課題とされていたロールプレイング演習の実施ハードルを下げることを目的としている。ロールプレイングは顧客との商談スキルを向上させる有効な手段だが、経験豊富な顧客役の選定やシナリオ策定、日程調整などが必要で、頻繁に実施することが難しかった。この課題に対して「AI営業ロールプレイング」はユーザーが任意のタイミングで手軽に演習を行い、営業スキルの強化と改善に役立つ環境を提供する。