老舗メーカーの荏原製作所、グローバル展開を目指しOCIを採用した背景
荏原製作所はOCIを採用し、基幹業務のクラウド移行とDXを推進していると発表した。グローバル展開と多様化する事業の中でDXを加速させるという取り組みとは。
日本オラクルは2025年5月13日、荏原製作所がOracleのクラウド基盤「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を活用して業務基盤のクラウド化を推進していると発表した。荏原製作所は、グローバル展開と多様化する事業の中でDXを推進させるためにOCIの採用を決定したという。
オラクルと荏原製作所が描く製造業DXの新戦略
荏原製作所は1912年創業の日本の重工業メーカーで、ポンプ、送風機、冷却塔、半導体製造装置などを手がけている。グローバル市場を視野に入れた事業展開を進めており、世界各国に製造、販売拠点を有し、近年はサステナビリティへの取り組みを強化している。業務プロセスの最適化と基幹システムの刷新を通じて、より俊敏な経営判断を可能にすることを目指し、インフラの柔軟性と拡張性が高いOCIを選択した。
OCI導入によって、荏原製作所は従来のオンプレミスでは困難であったスピーディーなIT環境の構築と、グローバル標準に対応したシステム運用を実現した。また、災害対策やセキュリティ強化といった要件にも対応し、コストを抑えながら効率的な運用体制を構築している。
日本オラクルは荏原製作所に対してOCIの提供だけでなく、クラウド移行プロジェクト全体における支援もしており、コンサルティングから導入、運用まで包括的なサポートを実施している。これにより、荏原製作所はDX戦略の実現に必要な基盤を短期間で整備できた。
今後、荏原製作所はOCIを活用しながら、AIやIoTといった先進技術との連携によるさらなる業務高度化を進める方針としている。特に、設備の予知保全や品質管理の高度化といった分野で、クラウド技術の活用が期待される。
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