Rimini Street、ECC 6.0とS/4HANAを2040年までサポート延長へ 保守コストはどこまで下がる?
SAPのERPのサポート終了が迫る中、Rimini StreetはSAP ECC 6.0およびSAP S/4HANAの全バージョンに対し、2040年まで保守を延長する方針を発表した。第三者保守によって保守コストはどう変わるか。
SAPは、「SAP ECC 6.0」(ECC 6.0)のメインストリームメンテナンスを2027年末までに終了する方針を示しており、その後は延長保守オプションが2030年末まで提供される。一方、「SAP S/4HANA」(S/4HANA)については、リリースごとに異なるメインストリームメンテナンス期間が設定されており、中にはメインストリームメンテナンスが終了しているものも存在する。
リミニストリート(以下、Rimini Street)は2025年6月5日(現地時間)、ECC 6.0およびS/4HANAの全てのバージョンに対し、サポート提供を2040年まで延長すると発表した。
第三者保守で保守コストをどこまで削減できる?
同社の発表によれば、SAPライセンスを保有する全ての顧客は、稼働中のミッションクリティカルなシステムを引き続き使用し、その有効期間を延長できる。これにより、SAPが推奨する「RISE with SAP」の採用を避け、最大90%の保守コスト削減を実現できるとしている。
今回のRimini Streetの発表により、同社のサポートを利用することでベンダーによる強制的なアップグレードや移行を回避できる。顧客は、既存のSAPシステムを維持し、次のようなメリットが得られるとしている。
- SAPの年間サポート費用を最大50%削減、サポートコスト全体では最大90%のコスト削減が可能
- 専任のプライマリーサポートエンジニア(PSE)が担当し、世界中のSAP専門家チームと、リミニストリート独自の特許取得済みAIツールとプロセスによる迅速で正確なソリューションを提供
- カスタマイズにも追加費用なしで対応する包括的なサポートにより、日々のIT運用コストを削減し、自社の競争優位性を支えるプロセスを維持
- 重大なケースには10分以内の対応を保証するSLA、2024年には、プライオリティ1および2のケースで平均2分未満の対応時間を実現
今回のサポート延長は、既存顧客に加え、新たにサービスを導入する企業も対象としており、SAPソフトウェアへの投資効果の最大化を支援することを目的としている。
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