HPEが開始する「完全分離型クラウド」 利便性をどう実現する?
HPEはエアギャップ環境向けの新プライベートクラウドソリューションの国内販売を発表した。ネットワークから完全に分離された環境でどのようにして利便性を実現するのか。
AIの活用が急速に進む中、各国政府機関や重要インフラ関連企業は増大する機密データの取り扱いにおいて、サイバーセキュリティとデータ主権という喫緊の課題に直面している。
こうした状況下、ヒューレット・パッカードエンタープライズ(以下、HPE)は、ネットワークから完全に分離された環境でもクラウドの柔軟性と即応性を享受できる新たなプライベートクラウドソリューションを開始する。
エアギャップ環境で利便性をどう実現する?
HPEは2025年6月12日、エアギャップ(外部ネットワークから物理的に隔離した)環境むけのプライベートクラウドソリューション「HPE Private Cloud Enterprise with disconnected management」と「HPE Private Cloud Enterprise for sovereign environments」の国内販売を発表した。2025年7月から開始される。
デジタル主権の確保を求める企業や公共機関の要件に対応するプロダクトで、ネットワークが完全に分離された環境でも、クラウドの柔軟性や即応性を備えたIT基盤の提供を可能とする。外部ネットワークからの脅威を最小化し、クラウドの運用効率やリソース管理をオンプレミスで実現する構成となっている。
HPEは2022年に「HPE Private Cloud Enterprise」をリリースしており、物理で構築されたインフラにクラウド同等の機能を提供するサービスモデルを展開してきた。これには、HPE製ハードウェアと管理用ソフトウェアの統合が含まれており、利用実績に基づく月額課金制を採用している。新たに発表されたエアギャップ構成には、HPEの担当者が顧客拠点に常駐してシステム運用を担うHPE Private Cloud Enterprise with disconnected managementと、HPE Partner Ready Vantage認定パートナーが運用を担当するHPE Private Cloud Enterprise for sovereign environmentsが用意されている。
HPE Partner Ready VantageプログラムのManaged Service Expertise認定を受けたパートナーは、地域、業界の要件を満たすソブリンクラウドの構築、運用をできる。また、HPE Sovereigntyコンピテンシーを取得することで、パートナーはHPE GreenLakeや顧客のデータセンターで、安全性の高いクラウドインフラの提供が可能となる。
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