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ERP業務を生成AIで効率化 既存ユーザーに無償で提供――ワークスアプリケーションズ:技術トレンド
ワークスアプリケーションズがクラウドERP「HUE」の生成AI機能をユーザーに無償のバージョンアップ機能として提供する。
ワークスアプリケーションズは2025年7月2日、同社のクラウドERP「HUE」の最新バージョンをリリースした。今回のアップデートでは業務自動化を目的とした複数の生成AI機能が新たに追加されている。これらの新機能はすべて無償バージョンアップの形で提供され、追加料金なしで利用できる。
Copilot連携も 無償で使える生成AI関連機能の詳細
HUEは、標準機能による業務構成と統一のデータ構造を特徴としており、AI活用に適した設計がなされている。新バージョンでは入力や確認、判断といった日常業務にAIが自然に組み込まれ、ユーザーが特別な操作を意識することなく効率化と精度の向上を図ることができる構成となっている。
新たに搭載されるAI機能は次の通りだ。
- 分析AI(残高照会/月次決算):会計データを高速に処理し、自由な指示によって視覚化する。必要な情報の即時把握を可能にする
- 意思決定支援AI(入金消込/ワークフロー):判断が求められる場面で候補と根拠を提示し、自然言語による質問にも対応する
- 入力支援AI(取引先管理/固定資産登録):経理向けの自動補完機能を提供し、過去データをもとに判断の支援を行う
- 推論提案AI(業務プロセス全般):Microsoft 365 Copilotと連携し、Excelやメールなどの情報とHUEのデータを統合し提案を行う
これらの機能はHUEの各操作画面に組み込まれており、画面操作や帳票作成などの一連の業務を支援する。
新バージョンは「Microsoft Azure」を基盤とし、「Azure OpenAI Service」を活用した高い安定性とセキュリティの確保も図られている。また「宣言型エージェント技術」を導入することで、「Microsoft 365 Copilot」から自然言語による指示でERPデータの検索や整形、定型作業の実行が可能になった。
ワークスアプリケーションズは、日本企業の複雑な業務に長年対応してきた知見をもとにHUEを開発しており、今回のアップデートもその延長線上にある。ユーザーの業務に深く関与しつつAIによる支援がより自然に業務に浸透することを目指している。
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