PowerShell 2.0提供終了 OSから削除へ:セキュリティニュースアラート
MicrosoftはPowerShell 2.0の提供を終了する。利用者は5.1または7への移行が推奨される。各OSから削除される時期を確認しておこう。
Microsoftは2025年8月11日(現地時間)、「Windows PowerShell 2.0」を今後の「Windows」から削除することを発表した。PowerShell 2.0は2009年に「Windows 7」の登場に伴い導入され、長らくスクリプト実行環境の一部として提供されてきたが、2017年に非推奨となって以来は互換性維持のためのオプション機能として残されていた。今回の発表により、この機能は完全に提供終了となる。
Windows PowerShell 2.0が提供終了 Microsoftの推奨策
提供終了の適用開始は、「Windows 11 バージョン24H2」において2025年8月から、「Windows Server 2025」においては同年9月からとなる。それ以降のWindows 11およびWindows Server 2025のリリースにおいて、PowerShell 2.0は標準構成から除外される。2025年7月時点で提供されている「Windows Insider Preview」ビルドにはPowerShell 2.0が含まれていない。
Microsoftによれば、この措置はレガシーコードの整理やPowerShellエコシステムの簡素化、Windowsのセキュリティ向上を目的としている。古いバージョンのPowerShell 2.0は、現行バージョンに比べてセキュリティ設計や機能面での制約が多く、潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性を抱える可能性がある。PowerShell 5.1やPowerShell 7.xなどの新しいバージョンは機能性やパフォーマンス、セキュリティのいずれも強化されており、ほとんどのコマンドやモジュールに対し後方互換性を備えている。
一般的なユーザーや組織にとって、この変更は大きな影響を与えないことが予想されている。現在の多くのアプリケーションやスクリプトは既に新しいPowerShellに対応しているためだ。ただし、旧来のスクリプトやソフトウェアでPowerShell 2.0を明示的に利用している場合は対応が必要となる。
Microsoftは影響を受ける環境への対策として、次の対応を推奨している。
- スクリプトやツールをPowerShell 5.1または7に移行すること。PowerShell 5.1はほぼ全ての従来コマンドやモジュールとの互換性を持ち、移行ガイドも公式ブログで公開されている
- 古いソフトウェアの更新または置き換えを実施する。旧式のインストーラーが動作しない場合、その製品の新バージョンを入手する必要がある。Microsoftのサーバ製品(「Exchange」や「SharePoint」「SQL Server」など)も新しいPowerShellに対応したバージョンが用意されているため、これらに置き換えることが望ましい
- サードパーティー製ツールの場合はベンダーが提供する最新バージョンや更新情報を確認すること。2017年の非推奨化以降、多くのベンダーは対応済みの可能性が高い
この変更により、Microsoftは古いアーキテクチャの維持負担を軽減し、最新のPowerShell機能開発やセキュリティ強化に注力できる環境を整えることとなる。PowerShell 2.0に依存するユーザーは、提供終了が開始される2025年8月および同年9月の期限までに移行や更新作業を実施する必要がある。適切な事前テストと移行計画を実施することで、業務やシステム運用の中断を回避できる。
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