Excelに「COPILOT関数」爆誕 自然言語による指示が可能に 使い方と利用例:AIニュースピックアップ
MicrosoftはExcelに新AI機能「COPILOT関数」を導入した。自然言語で指示を出し、データの要約や分類、生成を行える。関数は従来のExcel関数と組み合わせ可能とされ、利用にはMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要となる。
Microsoftは2025年8月19日(現地時間)、「Microsoft Excel」(以下、Excel)における新たなAI機能「COPILOT関数」を紹介した。Windows版とMac版のExcelで利用可能だ。自然言語を使った指示を数式として直接入力することで、テキスト解析や要約、分類、コンテンツ生成といった処理を実行できる。
新登場「COPILOT関数」の使い方と利用例
Excelでデータの整理や分析を行う際、従来はマクロやアドインの導入、外部ツールが必要になる場合もあった。今回追加されたCOPILOT関数はExcelの計算エンジンに統合されているため、セルに「=COPILOT(…)」と記述するだけでAIによる出力が得られる。参照しているデータを更新すれば結果も自動的に反映される仕組みで、別途スクリプトの実行や更新処理を行う必要はない。
この関数は従来のExcel関数と組み合わせて利用でき、「IF」や「SWITCH」「LAMBDA」「WRAPROWS」といった関数の中に組み込む形でも利用できる。セル範囲に入力されている顧客のコメントを参照し、「フィードバックを分類する」というプロンプトを与えれば、感情や内容ごとに自動で分類結果を生成できる。
COPILOT関数の構文は以下の通りだ。
=COPILOT(prompt_part1, [context1], [prompt_part2], [context2], …)
という形式で、プロンプト(タスクの指示文)と任意のコンテキスト(セルや範囲の参照)を引数として指定する。これにより、ユーザーはデータの要約や分類、キーワード生成、文章の書き換え、表形式でのデータ生成といった多様な操作をExcelで実行できる。
利用例としては、マーケティング施策の検討におけるキーワードリスト生成や長文データの要約、アンケート回答のカテゴリー分け、プロジェクト計画表の草案生成などが挙げられる。出力結果は複数行、複数列に展開されるため、既存の表計算モデルに組み込みやすい点も特徴だ。
プロンプトの書き方次第で結果の精度や有用性は変化するため、セル範囲や列、出力形式を明示し、動詞を用いて明確に指示することが推奨されている。AIはインターネットや社内システムにアクセスできないため、対象のデータは事前にワークブックに取り込む必要がある。業務上の判断に活用する際は、出力内容を事前に確認、検証することが望ましい。
現時点では10分あたり100回、1時間あたり最大300回の呼び出しが可能とされており、今後拡張される予定だ。関数の利用は任意であり、ユーザーが明示的に入力した場合のみワークシートに追加される。入力データはAIモデルの学習には用いられず、リクエスト出力のみに使用されることも明言されている。
今後の検討課題としては、大規模配列処理の精度向上やモデル性能の強化、不適切な利用ケースへのガイダンス提供、Webデータや社内データへの対応、日付データのExcelシリアル形式での返却などが示されている。
提供開始は「Microsoft 365 Copilot」ライセンスを持つ「Beta Channel」ユーザーが対象であり、Windows版はバージョン2509(ビルド19212.20000)以降、Mac版はバージョン16.101(ビルド25081334)以降で利用可能だ。「Excel for the web」についても順次展開予定だ。
COPILOT関数は以前に「Excel Labs」アドインの実験機能として提供されていた「LABS.GENERATIVEAI関数」を継承する形で登場したものであり、利用者からのフィードバックを基に改善が重ねられている。Microsoftは今後もユーザーの意見を取り入れながら機能拡張を図っていく方針だ。
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