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三菱電機がセキュリティ事業を強化 Nozomi Networks買収の狙いとはセキュリティニュースアラート

三菱電機は、OT、IoT、CPS分野のセキュリティでグローバルに事業を展開するNozomi Networksを買収した。Nozomi Networksは完全子会社となりつつも独立した運営を継続するという。

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 Nozomi Networksおよび三菱電機は2025年9月9日、三菱電機によるNozomi Networksの買収に関する正式契約を締結したことを発表した。Nozomi NetworksはOT、IoT、CPS分野のセキュリティでグローバルに事業を展開しており、産業システムや重要インフラへのサイバー脅威からの防御を強みとしている。今回の買収により、同社は三菱電機の完全子会社となりつつも独立した運営を継続するとしている。

三菱電機とNozomiの戦略的統合の狙い

 三菱電機は、2024年3月に発表されたNozomi Networksの1億ドル規模のシリーズE資金調達に出資しており、両社はその後も技術革新や市場展開で協力関係を構築してきた。この経緯が今回の合意の基盤となっている。買収完了後もNozomi Networksは既存のブランドや経営陣、組織体制を維持し、顧客やパートナーとの関係に変更は生じないと説明している。

 三菱電機は100年以上にわたりOTやIoTを含む産業分野でグローバルに経験を積み重ねてきた。今回の買収により、AIを活用したクラウド型のサイバーセキュリティソフトウェア事業を強化できるとしている。Nozomi Networksが持つ研究開発力や実績あるリーダーシップチームは、三菱電機の幅広い顧客基盤に先端的なセキュリティソリューションを提供する力を補完するものとなる。

 両社はOTやIoT環境から得られるデータとAIの組み合わせが、より効果的な防御と運用効率の向上につながるという共通のビジョンを持っている。顧客第一の姿勢と従業員を尊重する企業文化を共有しており、協業によって新たな価値を創出する方針を示している。

 三菱電機の取締役でCDO(最高デジタル責任者)、CIO(最高情報責任者)を務める武田 聡氏は「Nozomiの先進的なOTセキュリティ技術と迅速な開発手法は高く評価されてきた。三菱電機の幅広い知見と能力を組み合わせることで、新たなサービスを生み出せる。顧客に対しセキュリティと効率性、レジリエンスを強化する支援を提供できると確信している」と述べた。

 Nozomi Networksの社長兼CEO、エドガルド・カプデヴィエル氏は「三菱電機の一員となることで、次世代の産業セキュリティと革新を推進し、世界中の顧客にさらなる価値をもたらす。日々の業務に変更はなく、顧客やパートナーは引き続き同様のサポートと信頼できるプラットフォームを利用できる。両社のリソースを統合することで、革新を加速し産業組織のデジタル変革を支援できる」と語っている。

 買収の完了は2025年第4四半期に見込まれている。完了後もNozomi Networksは米国サンフランシスコの本社とスイス・メンドリジオの研究開発拠点を維持し、現行の事業ロードマップや運営体制を継続するとしている。

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