モバイルアプリの常識を変える、UX主導のノーコード開発ツールが登場:「使いたくなる業務アプリ」がDXを加速する
モバイルアプリの“使いやすさ”が、DXの成否を左右する時代。誰もが使いたくなるアプリをノーコードで開発できる、UX主導のツールが登場した。アステリアの「Platio Canvas」が企業のDXを次のステージへ導く。
DX推進を目的に業務アプリを開発したが事業部門で使用されず、結果的にDXが進展しない企業は多い。特に、現場の作業を支え、業務効率化やデータ活用の鍵を握るモバイルアプリが事業部門に放置されてしまうのは、DX推進でつまずくポイントの一つだ。
時間と費用をかけて開発した業務用のモバイルアプリが肝心の現場で使われないという状況は、単なるコストの問題にとどまらず組織全体のDXの機運をそいでしまう。業務モバイルアプリが定着しない原因を掘り下げて、従業員が「使いたくなる」アプリの開発を実現する新たな選択肢を紹介する。
UI軽視のツケがDX停滞を招く
データ連携ミドルウェアなどのノーコードツールを展開するアステリアの東出武也氏は、モバイルアプリが事業部門に浸透しない背景には幾つかの問題があると指摘する。
「複雑な業務要件への対応や拡張性の面で、ノーコード/ローコードツールの機能が不十分なケースが見られます。慣れないモバイルアプリ開発がハードルとなり、スピーディーに改善できていないケースもあります」
部門ごとにアプリが乱立して全社的な統制が取れなくなるサイロ化が生じている企業も存在する。予算やリソースの不足でアプリの改善が追い付かず、使いにくいまま放置されることが多い。
東出氏は、使われない業務モバイルアプリが生まれてしまう最大の理由として、ユーザーインタフェース(UI)とユーザー体験(UX)の課題を挙げる。
「企業は高機能なアプリを構築しながらも、UI/UXの配慮が後回しとなり、現場での利用定着につながらないケースが多く見られます」
使われないアプリは業務改善に寄与しないだけでなく、費用対効果の低さによってDX投資の優先順位を引き下げる要因にもなる。
業務モバイルアプリのUI/UXは軽視されている
業務モバイルアプリのUI/UXはなぜおろそかにされがちなのだろうか。東出氏は「開発の目的が『機能要件の充足』にあることが最大の要因」と分析する。
「基幹システムなどの画面は、B2Cのアプリと比べると使いやすくはありません。それが許されてきたのは、『機能さえ満たしていればよい』という思想が根底にあったためです。その中で、業務モバイルアプリでもUI/UXは二の次とされてきました」
しかし、業務モバイルアプリには、この「機能要件の充足が第一」という考え方が通用しなくなっている。なぜなら、UI/UXが洗練されたB2C向けのモバイルアプリを日常的に使用している従業員にとって、直感的に使いやすいUI/UXはもはや付加価値ではなく、アプリの定着と生産性向上のための必須条件となっているからだ。
こうした業務モバイルアプリ開発の課題を解決するため、アステリアが2025年9月に提供を開始したのがノーコードアプリ開発プラットフォーム「Platio Canvas」だ。
同社は、テンプレートを選ぶだけで簡単にモバイルアプリを作成できるノーコードツール「Platio」を提供している。Platioは事業部門がアプリ作成を小規模で始めるのに適したツールであるのに対し、Platio Canvasは情報システム部門の主導によって大規模な業務に利用するモバイルアプリやWebアプリの開発に適したツールだ。
製品設計の根底には、業務アプリで軽視されがちだった「洗練された使いやすいUI/UXの実現」という思想がある。機能要件を満たすだけの開発から脱却し、ユーザーが本当に使いたくなるモバイルアプリを開発することが目的だ。
Platio Canvasの主な特長
- ノーコードでも高機能なアプリ開発を実現
- iOS/Android/Webアプリに対応し、直感的な操作で多機能な業務アプリをスピーディーに構築可能。
- 自由なUI設計と高いデザイン性
- ドラッグ&ドロップで部品を自由自在に配置。ブランドイメージに沿った美しいUIも思いのままに。
- IDフリーの料金体系で大規模利用にも対応
- ユーザー数に関係なく利用できるIDフリーモデルで、業務の広がりに応じた柔軟な展開が可能。
- セキュリティ・拡張性もエンタープライズ仕様
- 2段階認証やIP制限を標準搭載。部門横断利用や基幹システム連携にも対応し、大規模DXにも対応。
優れたUI/UXの業務アプリをスピーディーに開発
Platio Canvasは、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でUI部品(エレメント)をキャンバスに自由に配置して画面レイアウトを構築できる。モバイルアプリ開発に必要な「React Native」や「Flutter」はもちろん、コーディングの知識も必要ない。「ノーコードツールが抱えがちな、手軽だが制約が多いというジレンマを解消する」と東出氏は説明する。
開発プロセスはとてもシンプルだ。まずアプリ上で扱うエレメントを配置して、利用するデータを定義する。色やサイズ、画面遷移などの動作を設定すれば、企業のブランドイメージに合わせたUIがスピーディーに完成する。スマートフォンやPCなど、デバイスごとの表示をリアルタイムでプレビューしながら開発できるため手戻りも少ない。
今後はデバイスの画面サイズに合わせて表示を最適化するレスポンシブデザインに対応する予定だ。どのデバイスからアクセスしても統一感のあるデザインと使用感を実現する。
「これからのモバイルアプリ開発は、ユーザーがUIをどのように操作し、どのようなUXを得るのかという視点を起点に開発するアプローチが求められます。UI/UXの知見に自信がない企業やSIerに対して、UI/UXに強みを持つパートナー企業を紹介してノウハウと開発支援を提供するスキームも用意しております」
大規模案件にも堪える安全性と拡張性、各種の決済連携にも対応
Platio Canvasは大規模で複雑な開発ニーズに応えるため、高いセキュリティと大規模利用に堪える拡張性も備えている。
セキュリティ機能としては、二段階認証やIPアドレスによるアクセス制限などを標準で搭載している。誤操作などでデータが消えてしまった場合のためのデータ復元も備えている。
拡張性の面では、標準の「Enterpriseプラン」で1アプリ当たり20万レコードの登録が可能。さらに業務の拡大やDXの進展に応じて、アプリ作成数・データ容量・招待メンバー数を拡張できる追加オプションを用意している。より大規模な利用が必要な場合、利用企業専用の環境を別途用意して提供する。
外部APIや地図アプリとの連携ができる他、開発したアプリからクレジットカードや「PayPay」による決済も可能だ。LINEのIDを使った認証にも対応している。
IDフリーの料金体系でコストの不安なく大規模利用を促進
たとえ優れたツールであっても、利用コストが高すぎては全社展開が難しい。ユーザー数に応じた課金体系は、ユーザーの増加に伴いコストが膨らみ、全社展開の障壁になることがある。
Platio Canvasの料金は“IDフリー”ライセンス体系だ。アプリの利用者数ではなく、アプリの作成数やレコード数といった開発、運用規模に応じて料金が変わる。
「Platio Canvasは、利用者がどれだけ増えても料金は変わりません。コストの心配をせずに、業務の広がりに応じた柔軟な展開や全社的な導入が可能です」
ASTERIA Warp連携で全社フロント基盤へ
Platio Canvasはさまざまな機能強化が予定されている。目玉の一つが、アステリアの主力製品であるデータ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」との連携強化だ。
この連携により、Platio Canvasで開発したアプリと社内の基幹システムとのデータ連携をノーコードで実現できる。事業部門がモバイルアプリで入力したデータをリアルタイムで基幹システムに反映したり、基幹システムのマスターデータをモバイルアプリで参照したりといった活用が可能だ。
DX推進を支える業務アプリは、単に機能するだけでは不十分だ。事業部門が使いたくなるものでなければ、優れたDX構想も絵に描いた餅に終わるだろう。業務生産性を高める使いやすいUI/UXを実現するPlatio Canvasは、多くの組織で停滞してしまったDXを再加速させる推進剤になる可能性がある。
「もはやUIを軽視したアプリは認められにくい時代です。これまでの常識から脱却し、アプリ開発を変革する必要があります。Platio Canvasは、UI/UX主導のモバイルアプリ開発を実現する、新たなノーコードアプリ開発プラットフォームです。ユーザー企業はもちろん、システムの導入、運用を支援するSIerにとっても、共創による価値提供を可能にする基盤として幅広くご活用いただけると確信しております」
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提供:アステリア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2025年12月4日






