Windowsカーネルの脆弱性を攻撃者が悪用中 対象範囲は広いため注意:セキュリティニュースアラート
Windowsカーネルにゼロデイの脆弱性が発見された。競合処理の乱れを起点とする深刻な特権昇格欠陥で、既に悪用が確認されている。アップデートの適用と管理強化が必要だ。
セキュリティニュースメディア「Cybersecurity News」は2025年11月12日(現地時間)、「Windowsカーネル」に潜むCVE-2025-62215が実働環境で悪用されていると報じた。
同脆弱(ぜいじゃく)性は特権昇格を狙う欠陥に分類される。公開情報は限定的だが、サイバー攻撃者側の活動が既に観測されており、潜在的な被害範囲は広いとみられる。
Windowsカーネルの脆弱性を攻撃者が悪用中 対象範囲は広いため注意
この脆弱性は共有資源の同時実行周辺に生じる不整合に原因がある。競合の結果が状況を左右し、処理順の食い違いからメモリ領域に問題が生じる。二重解放に類する挙動も示唆されており、内部状態が揺らぐきっかけが複合的に積み重なって問題が発生している。この脆弱性を悪用する成功条件は高難度と評価されているが、突破された際には大きい影響が生じる。
対象範囲は広く、「Windows 10」や「Windows 11」、複数の「Windows Server」が影響を受ける。この脆弱性は大規模環境の基盤として稼働するサーバ系で影響が深く、早期の適用が必要とされている。
現段階で攻撃手法の詳細は公開されていないが、標的型攻撃を実行している犯罪組織や金銭目的の犯罪組織が得意とする領域と重なる部分が多い。侵入経路は電子メール経由や悪性ドライバーの導入など多岐にわたり、初期侵害後の権限獲得にこの脆弱性が悪用されると予想される。動作条件が特殊であっても、実際の悪用が確認済みという点に注意が必要だ。
状況から判断すると、今後もしばらく表沙汰にならずに悪用が続く可能性がある。脆弱性の詳細情報が公開されていない段階は、サイバー攻撃側が優位性を保ちやすい。企業や組織はアップデートの適用を急ぐだけでなく、痕跡の観測や特権まわりの挙動監視を強める必要がある。重要なデバイスや踏み台に使われやすいデバイスの点検を早めに進める姿勢が求められている。
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