「従来の自動化ツールは硬直的で技術的」 新機能「Google Workspace Studio」はどれだけ手軽なのか:AIニュースピックアップ
Google Workspaceに、AIエージェントを自在に構築できる新環境が登場した。「Gemini 3」を基盤とし、自然言語で指示するだけで業務を自動化できるという。従来の自動化ツールと何が違うのか、その仕組みと可能性を解説する。
Googleは2025年12月4日(現地時間)、「Google Workspace」におけるAIエージェントの設計、管理、共有のための新たな環境「Google Workspace Studio」を正式に提供開始したと発表した。「Gemini 3」の推論機能とマルチモーダル処理を基盤とした自動化機能を備え、日常業務を効率化するエージェントを短時間で構築できる仕組みを提供する。
90%効率化の実例も 従来ツールにはない実務の効率化に着目
Googleは、メール対応や予定調整などの反復作業が生産性の阻害要因となっていると指摘している。既存の自動化ツールは「あまりにも硬直的で技術的なもの」だったと述べ、Google Workspaceで直接扱えるエージェント機能を提供することで、従業員が自らの作業に適した自動化が可能になると説明している。
Google Workspace Studioで構築されるエージェントは、従来型の厳格な条件分岐やルールに依存した処理とは異なる設計だ。Geminiの能力により、状況に応じた判断や情報への即時対応が可能とされ、感情分析やコンテンツ生成、優先度の判断、通知の最適化など、多様な業務を支援できるという。
発表では清掃ソリューション企業Karcherの導入事例が示されている。同社のデジタルプラットフォームチームはGoogle Workspace Studioを早期に利用し、会議の記録や複数システムに分散したメモを複数のエージェントが評価や検証、活用するワークフローを整備し、作業時間が従来比で約90%削減されたと報告している。
「Gemini Alpha」プログラムに参加する企業では既にGoogle Workspace Studioで構築されたエージェントが多数稼働しており、過去30日間で2000万件以上のタスクが実行されているという。業務報告書の作成、タスク管理、法務文書の振り分け、出張関連手続きの管理など幅広い用途に使われている。
エージェントは自然言語で指示を与えるだけで構築可能とされている。例えば、「質問を含むメールを自動的に分類し、『Google Chat』で通知する」といった定義を自然言語で入力するだけで、Google Workspace Studioがワークフローを生成する。メール本文や添付ファイルからアクション項目や請求番号などを抽出することも可能だ。作成したエージェントは組織のメンバーと共有できる。
Google Workspace Studioで定義したエージェントは「Asana」や「Jira」「Mailchimp」「Salesforce」などの外部サービスとも連携できる。「Google Apps Script」によるカスタムステップも追加でき、内製ツールとの接続や「Vertex AI」を介した専用モデルとの統合にも対応する。
Google Workspace Studioは今後数週間で企業向けに順次展開される。詳細はヘルプセンターやDiscordコミュニティで提供されており、Gemini Alphaプログラムへの参加によって管理機能の早期検証も可能だ。
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