Microsoftがまたもや値上げ M365サブスク料金を最大33%増の「言い分」:AIニュースピックアップ
Microsoftは、2025年11月の大口顧客向けのディスカウント廃止に続き、2026年7月からMicrosoft 365の複数プランを値上げする。最大で33%の値上げを実施する理由を同社はどう説明しているのか。
Microsoftは2025年12月4日(現地時間)、業務アプリケーション「Microsoft 365」の法人向けサブスクリプション価格プランを改定すると発表した。改定時期は2026年7月1日としている。
最大33%値上げへ Microsoftはどう説明している?
Microsoftは2025年11月、大口顧客に向けたオンラインサービスにおけるボリュームディスカウントを廃止した新たな価格体系に移行した。
ディスカウント対象だった大口顧客にとって事実上の値上げとなった価格体系移行に続き、Microsoft 365の一部のプランを除いて値上げする理由をMicrosoftはどのように説明しているのか。
Microsoftは、「AI機能と、それを支える基盤への継続的な投資を反映した結果」と説明し、「早期に発表することで、利用者が事前に計画を立てられるように配慮した」としている。
今回の価格改定は「Microsoft 365 Copilot Chat」を中心としたAI機能の追加と、AI機能追加に伴うセキュリティ機能、管理機能の増強を背景としており、AI機能の提供拡大と料金改定が連動する形となる。
既に全ユーザーを対象に提供されているCopilot Chatに加えて、文書作成や表計算、プレゼンテーション作成を支援する機能が2025年後半〜2026年に段階的に強化される予定だ。IT管理者に向けて、Copilot Chatの利用状況を把握して制御するための管理機能や分析機能も組み込まれる。
AI活用の拡大に合わせて、電子メールやコラボレーション環境を狙うサイバー攻撃への対策も強化される。一部のプランではフィッシングや不正リンクを検知する機能が標準で追加され、リンクをクリックした際に既知の悪意あるサイトを確認する仕組みが提供される。
またデバイス管理や分析の分野でもAIを活用した機能が拡張される。上位プランでは遠隔支援や高度な分析機能が加わり、問題の早期把握や迅速な対応を支援する。最上位プランでは特権管理やアプリケーション管理、クラウド証明書基盤、セキュリティ用のCopilotの提供が含まれ、AI利用に伴うリスク管理を重視した構成となる。
値上げ対象プランと新価格は?
今回価格引き上げの対象となるプランと現在の価格、価格改定後の新価格は次の通りだ(全て月額料金)。
| プラン名 | 現在の価格 | 新価格 |
|---|---|---|
| Business Basic | 6ドル | 7ドル |
| Business Standard | 12.50ドル | 14ドル |
| Office 365 E3 | 23ドル | 26ドル |
| Microsoft 365 E3 | 36ドル | 39ドル |
| Microsoft 365 E5 | 57ドル | 60ドル |
| Microsoft 365 F1 | 2.25ドル | 3ドル |
| Microsoft 365 F3 | 8ドル | 10ドル |
「Business Premium」と「Office 365 E1」の価格は据え置かれる。
今回発表された価格改定は世界的に適用され、地域ごとに調整される。AI新機能の拡充と値上げが明確に結び付けられた形となり、今後の導入判断や契約更新、また他社のAI機能搭載の業務アプリケーションの価格にも影響を与える可能性がある。
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