ITエンジニアの年収は管理職に転向後いくら上がる? 218人の調査で判明:IT調査ピックアップ
ITエンジニアが管理職になることで、就任前は7割が不安を感じる一方、就任後は約7割が満足と回答。人間関係などの業務の難しさに直面しつつも、チームでの達成感や年収増、キャリアの選択肢拡大といったメリットが課題を上回り、前向きに捉えられている。
キッカケクリエイションは2026年4月14日、ITエンジニアから管理職(課長相当以上)へ転じた経験を持つ218人を対象とした意識調査(調査期間:2025年10月29〜31日)の結果を公表した。
技術者からマネジメント層へのキャリアシフトが、収入やキャリア満足度にどのような影響を与えているのか、その本音が明らかになった。
7割が感じた不安 就任後には高い満足度
調査によると、管理職への移行前に不安や抵抗を抱いた人は68.3%に上った。具体的には「非常に抵抗感や不安があった」が22.5%、「やや抵抗感や不安があった」が45.8%で、心理的なハードルの高さが浮き彫りとなった。不安の内容では「部下やチームメンバーとの人間関係の構築」が56.4%で最多となり、「技術から離れ、スキルを生かせなくなること」が42.3%、「責任が重くなることへのプレッシャー」が39.6%と続いた。マネジメント経験の不足や評価判断への懸念も一定数見られた。
他方で、実際に管理職に就いた後の評価は前向きな傾向が強い。管理職になって良かったとの回答は68.8%で、「非常にそう思う」が27.1%、「ややそう思う」が41.7%だった。理由としては「チーム全体で成果を生み出す達成感を得られたから」が46.0%で最多となり、「年収が上がったから」が42.7%、「技術戦略や組織設計など、より幅広い意思決定に関わる機会が増えたから」が34.0%であった。後進育成や視野拡大、社内外での評価向上なども評価点として示された。
収入面においては、管理職就任後に年収が増えた割合が多数を占めた。「100万円以上200万円未満増加した」が25.8%、「50万円以上100万円未満増加した」が25.2%、「200万円以上増加した」が17.4%で、合計すると8割以上が増収を経験している。
しかし課題も明確にあり、「管理職の業務で難しさやギャップを感じた」と答えた人は82.1%(「非常に感じた」が28.0%、「やや感じた」が54.1%)に達した。具体的には「部下やチームメンバーとの人間関係の構築」が50.8%と最多で、「責任が重くなることへのプレッシャー」が35.2%、「技術から離れ、スキルを生かせなくなること」が33.0%と続いた。評価や人事判断、時間管理、会議増加による集中時間減少なども挙げられ、役割変化に伴う負荷が示された。
こうした課題への対応としては、「マネジメントに関する書籍やセミナーで学ぶこと」が35.2%で最多となり、「試行錯誤しながら自分なりのやり方を見つけること」が34.6%、「上司や先輩管理職に相談し、アドバイスをもらうこと」が34.1%と続いた。コミュニケーション強化や同職種間での情報共有、部下への権限委譲、技術習得時間の確保など、多様な工夫がされている。
今後のキャリアへの影響については、役立つとの回答が76.1%を占めた(「非常にそう思う」が28.4%、「ややそう思う」が47.7%)。管理職経験がキャリアの選択肢拡大につながると認識されている。
管理職になる前に備えるべき要素としては、「チームメンバーとのコミュニケーション経験を積むこと」が42.7%、「マネジメントやリーダーシップに関する知識を身につけること」が42.2%、「プロジェクト全体を俯瞰する視点を養っておくこと」が38.5%であった。加えて、予算意識や育成経験、組織理解なども必要とされている。
今回の調査から、エンジニアが管理職へ移る際には心理的負担が大きいものの、就任後には成果創出や収入面などで前向きな評価が広がる実態が明らかとなった。同時に、人間関係や責任増大への対応が大きな課題であり、移行前の準備や支援の重要性が示唆された。
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