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アクセンチュアらが「エージェント型工場」を開発 製造現場の計画外停止の削減図るAIニュースピックアップ

アクセンチュアとアバナード、Microsoftは、製造業向けAIエージェント基盤「エージェント型工場」を共同開発した。従来の製造分析ダッシュボードの枠を超え、現場担当者の判断を支援する。

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 アクセンチュアとアバナードは2026年5月18日、Microsoftと協働して製造業向けAIエージェント基盤「エージェント型工場」(Agentic Factory)を開発したと発表した。3社は、ドイツ・ハノーバーで開催された産業見本市「ハノーバー・メッセ2026」で同システムを公開した。2026年後半の提供開始を予定している。

 同システムは、製造業におけるダウンタイム(設備の計画外停止)の削減を図るものだ。北米で紙・板紙(編注1)、ティッシュ、再生可能エネルギー事業を手掛けるKrugerと、包装・ラベリング向けメタライズドペーパーを製造するNissha Metallizing Solutions(NMS)が、システムの有効性の検証に協力している。なお、アバナードはMicrosoftの技術領域でITコンサルティングを手掛ける企業で、Microsoftとアクセンチュアによる合弁会社だ。

(編注1)板紙とは、商品を収納する化粧箱や、工作用紙などに使われる厚手の紙の総称。

先行導入企業はどう評価している?

 3社によると、エージェント型工場は、従来の製造分析ツールやダッシュボード、監視ツールのように稼働状況を可視化するだけでなく、異常発生時の原因分析やトラブルシューティングまで支援する。生産ラインや機械が想定の稼働率を下回った際に、AIエージェントが現場オペレーターの初期確認や診断、トラブルシューティングを支援する。

 稼働状況や機械の過去の挙動、生産データを横断的に分析し、想定される原因と推奨対応策を提示する。追加対応が必要な場合は、保全チケットの発行や予備部品の発注準備に対応する。

 システムは、アクセンチュアとアバナードが提供する「Factory Agents and Analytics」を基盤とし、「Microsoft Azure」やデータプラットフォームの「Microsoft Fabric」、AI開発基盤の「Microsoft Foundry」、業務向けAIの「Microsoft Copilot」を利用する。料金体系はサブスクリプションモデルで、小規模導入から始めて利用範囲を段階的に広げる想定だ。

 同システムは、製造現場に存在する次のようなデータをMicrosoft Fabricで一元化し、Microsoft Foundryで横断的に推論する。

  • 構造化データ:製造実行システム(MES)のデータ、機械の状態監視データ、制御・アラートシステムのログ、機械やセンサーの稼働データ、過去の稼働実績データ
  • 非構造化データ:故障モード影響解析(FMEA)文書、オペレーター用マニュアル、機械の操作マニュアル、過去のトラブル保全記録

 AIエージェントが会話型インタフェースを通じて、作業スタッフの役割や状況に応じた対処手順を提案する。

 Krugerのエリック・アシュビー氏(COO《最高執行責任者》)は、エージェント型工場について次のように述べる。「平均修理時間(MTTR)を10〜15%削減した場合、生産ラインや拠点全体に展開すれば、短期間で数百万ドル規模のコスト削減につながる。現場担当者がより迅速に問題に対応できるだけでなく、運用に関する知識を蓄積して工場運営の継続的な改善できる」

 NMSのエドアルド・パルモ氏(グローバル・オペレーション・マネジャー)は、「エージェント型工場により根本原因分析を高度化し、スクラップ(不適合品)や計画外停止を削減できる」と効果を語った。

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