AI時代のCIOのミッションと「スポーツ×Tech」はどう関係? レノボ・エンタープライズ 張社長に聞く「挑戦の意味」:Lenovo Neptune®はいかにCIOの価値を高めるのか
世界的に注目を集めるスポーツはいまや、Techの支えなしには成立しない。選手のバイタル情報、機器の状態など、白熱する試合の裏側では大量のデータとそれに基づく計算処理が絶えず稼働する。レノボは「過酷なスポーツTechへの挑戦がIT部門トップの価値向上につながる」と言う。同社社長にその真意を聞いた。
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社(以降、レノボ)は近年、モータースポーツやサッカーの国際大会といったグローバルなスポーツ領域への技術支援を積極的に展開している。これらはレノボにとって「技術の限界に挑み、信頼を勝ち取るための大きなチャレンジ」と同社 社長の張磊(ちょう らい)氏は語る。張氏はこの挑戦の先に「CIO(最高情報責任者)がオーケストレーターになる」未来が待ち受けている、と説明する。スポーツTechの挑戦はどのようにCIOの役割を変えるのか。
国際スポーツの裏側〜1週間でDC建設 世界を転戦する過酷な挑戦
サッカーの国際大会では試合中のあらゆるデータがチームや選手のパフォーマンス、ファンのエンゲージメント向上のために活用されている。モータースポーツの領域では、車体に搭載された無数のセンサーから送られる膨大なデータをミリ秒単位で処理してレース戦略を組み立てると同時に、中継などを視聴する観客にも同様のリアルタイムデータを提供する。世界最高峰のモータースポーツともなれば、湿度や気温などの条件が全く異なる環境を転戦することになる。各地で、わずか1週間ほどでデータセンター(DC)を構築・運用しては次の会場に搬送する。40度を超える砂漠地帯や雨期の熱帯地域など、過酷な環境でも安定して動作するIT基盤を速やかに構築しなければならない。
スポーツとビジネス向けITインフラの世界は、「エッジ側で大量データをリアルタイムに処理し、止められないミッションクリティカルな業務を支える」という点で本質的な要件が共通する。リアルタイムでデータを生かしてその場で推論処理を実行するAIサービスのニーズは今後さらに増えるだろう。
「ビジネス上の意思決定やAI推論においてもエッジは極めて重要。そのニーズに、われわれはスポーツの世界で磨いた技術で応えられるのです」と張氏は自信を見せる。
DCの電力消費の4割がサーバ冷却に使われる現状を変える
レノボが注力しているのがエネルギー消費量の問題だ。DCが大規模になればなるほど、電力消費が増大して構成も複雑化し、コストも跳ね上がる。これはシステムの安定性にも影響する。
「DCにおける電力消費の約4割はサーバ冷却に使われており、計算処理には残りの6割しか回せていない。この4割を処理能力に転換できれば、より高集約でコンパクトなDCを構成可能になります」と張氏は指摘する。
この課題に対するレノボの回答が、水冷サーバ技術「Lenovo Neptune®」(以降、Neptune)だ。Neptuneは一般的な空冷では不可能な効率的な冷却を実現し、ラック数を抑えたシンプルかつ高密度なエッジ推論が可能だ。NeptuneはCPUやGPUなどの高発熱コンポーネントをサーバ内部で直接冷却する。一般的な液冷システムは、冷却液に環境負荷の高いエチレングリコールなどを使うが、Neptuneは「純水」を採用する。45度程度の温水で稼働し、冷却水は設備内で循環させて再利用できる。大掛かりな冷却装置は不要になり、空冷と比べて冷却に必要な電力を大幅に削減しつつ高密度のサーバ実装が実現する。国際的なモータースポーツの現場でもNeptuneの技術が生かされている。
レノボはNeptuneによる直接液冷に加えて、ホットスワップ対応冷却液分配装置(CDU)を開発したNidecと提携して、冷却水を効率良く循環させる仕組みも実装した。これらの独自の取り組みにより、外気温と変わらない環境下でのAI推論についても電力消費量を抑えた安定稼働が可能だ。「サーバ冷却のためにDC内が極端に寒く、冷却装置のモーター音が鳴り響く」といった無駄なエネルギー消費にコストをかける必要がなくなる。
Neptuneの温水直冷に対応したファンレスのCDUを組み合わせることで、静音性と電力消費の低減を両立させた。AI時代のDCが抱える電力・熱の課題に、レノボは日本市場の品質要求に見合う形で応えようとしている。
低消費電力で高性能を発揮するレノボの製品ポートフォリオは、多岐にわたる。過酷な環境でも稼働する防塵(ぼうじん)性能を備えた「ThinkEdge」シリーズは、コンパクトながらGPUを搭載可能で、高い処理性能を発揮する。SIMカードを挿入すればネットワーク接続も可能だ。
「エッジAIの導入は多くの場合、数ラック程度の小規模なものから始まります。高度化すれば数十、数百ラックの規模も求められます。レノボは、そのあらゆるスケールに対してNeptuneという中核技術を軸に柔軟に対応できるのが強みです」
CIOは「オーケストレーター」に IT部門が経営をドライブする大きなチャンス
データとAIはいまや、スポーツTechに限らず多様なビジネスシーンに浸透しつつある。この中でCIOの役割は「劇的に変化する」と張氏は語る。日本において、CIOはコスト削減やアウトソーシングの管理が重視される傾向が強く、開発や運用を外部ベンダーに委ねる傾向にあった。しかし「AIワークロードはビジネスの心臓部を担います。コアであるが故に安易に外部に丸投げはできません」と張氏は強調する。レスポンスやセキュリティの観点から、各部門が利用するAIの推論処理はエッジを含めてオンプレミスで処理する必要がある。そこで求められるのが、全社レベルでAI環境をコントロールして最適化するという、新たなCIOの役割だ。
「これからのCIOは単なるITの管理者ではなく、経営の視点からAI環境全体を指揮する『オーケストレーター(指揮者)』にならなければなりません。むしろCIOが主導権を握って経営をドライブすべきです。今のAIの波は、IT部門が経営の深部に入り込んでデータドリブンな経営を実現するための、かつてない大きなチャンスなのです」
どんなデータを使いどこでAI推論を使うか。分散するAIインフラにどうガバナンスを効かせて管理するか。その投資対効果の評価全てにおいてCIOは重要な責務を負う。逆に言えば、CIOが適切な投資判断を下せばビジネス全体の価値を高めるための起点となり得るのだ。
パートナーエコシステムで日本の地方企業のニーズにも応える
レノボの今後の日本市場展開において張氏が最も重視しているのが、「ユーザーニーズの深い理解」と「パートナーとのエコシステム」だ。
「レノボだけでお客さまの全てのAIニーズに応えようとは考えていません。従来の枠組みにとらわれない『新しいパートナーシップ』を構築し、AIのエコシステムを作らなければならないと考えています」
いま注視しているのは、日本の基幹産業である製造業だ。「製造業は最もAIの力を必要としている領域。深刻な人手不足をAIで支援するニーズの多くは、エッジ側のAI活用に集約されます」と張氏は分析する。その他にも小売り、医療、建設など、現場での特定の推論処理によって業務を効率化するニーズは日本各地に存在する。
「こうした『現場のAI』という領域において、日本は決して世界に遅れているわけではありません。むしろ、スモールスタートで成功体験を積み上げる手法は日本のお家芸です。ただ、日本人はその成果をアピールするのが少し苦手なだけかもしれません。レノボと同様、もっと対外的に発信する必要があるでしょう」
張氏が社長就任以来、情熱を注いでいるのが「地方の活性化」だ。これはIBM時代から続くレノボのDNAでもある。「私は外資系メーカーの社長の中で、おそらく最も多くの地方を訪れているという自負があります」と笑う。張氏は今後もパートナーと共に地方の顧客企業を支えていく考えだ。
AI導入において、レノボはプロフェッショナルサービス「Lenovo Hybrid AI Advantage」とパートナーエコシステムを持つ。レノボが全世界のAIイノベーターやパートナー企業と構築してきた強固なネットワークを土台に、AI導入を包括的に支援する仕組みだ。実証済みのハードウェアに加え、パートナー企業の高度なAIソリューションや自社のプロフェッショナルサービスを組み合わせることで、アセスメントから構築、運用まで包括的に支援する体制を整える。
「われわれは単なる『箱(BOX)』を売るメーカーではありません。お客さまが価値を得られなければ、どんなに良いものを作っても意味がありません。ハードウェアとソリューション、パートナーエコシステムを組み合わせて、業務の成果につながる価値を提供し続けます」
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提供:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年6月30日








