バックアップが一躍、経営課題に 「単なるデータ保護手段」から“地位向上”の理由:IT調査ピックアップ
災害やシステム障害からデータを守るバックアップ。バックアップ市場拡大の背景には、バックアップの位置付けの変化があるとITRは指摘する。では、IT部門がバックアップ製品を選ぶポイントはどのように変わるのか。
これまで“縁の下の力持ち”的な存在だったバックアップ製品の位置付けが変化している。
ITコンサルティングと調査を手掛けるアイ・ティ・アール(ITR)は2026年7月7日、国内のバックアップ、リカバリー市場規模推移および予測を発表した。2025年度の同市場の売上高は約584億7800万円で、2024年度比9.7%増だ。2025年度から2030年度までのCAGR(年平均成長率)は12.0%、2030年度の市場規模は1000億円に達すると同社は予測する。
市場拡大の要因としてITRが指摘するのが、災害対策に加え、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の深刻化、企業システムのオンプレミスからハイブリッド、マルチクラウド環境への移行、SaaS利用の増加によるバックアップ範囲の拡大・複雑化だ。サプライチェーン障害への備えが経営リスクとして認識されるようになったことも大きい。
IT部門の選定ポイントにも変化
ITRの入谷光浩氏(プリンシパル・アナリスト)は、バックアップに求められる要素について次のように指摘する。
「バックアップ、リカバリー機能の高度化にとどまらず、バックアップデータの感染の有無を確認する検疫機能や脅威検知機能、さらに迅速かつ安全なリカバリーを支援する機能まで統合したサイバーレジリエンス基盤としての価値訴求が求められる」
同氏によると、AI活用の拡大に伴い、今後はAIモデルの学習データや参照データなどAI基盤を構成するデータ資産の消失リスクを視野に入れることも重要になる。
IT部門が製品を検討する際には、バックアップ、リカバリーの速度や容量だけでなく、バックアップデータの感染確認や脅威検知、安全に復旧できる仕組みの有無も選定ポイントになる。
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