AIエージェントは「実運用」が主流に 「明確な成果」を得る企業の共通点は?:IT調査ピックアップ
生成AIの活用は「試す」段階から「使い広げる」段階へ移り、AIエージェントも実運用が主流になった。一方で、企業規模による差は広がっている。INDUSTRIAL-Xの調査が示す、成果を分ける“技術以外の要因”とは。
AIの導入は進んだのに、「その結果得た成果は何か」という問いに明確に答えられない――。IT部門が直面しがちなこの課題を解消するヒントになりそうな調査結果が公開された。この調査について同社は、成果を左右するのはAIツールの良しあしではないと分析している。
DXやAIの導入支援を手掛けるINDUSTRIAL-Xはこのほど、「AI/DX導入・活用実態調査2026」の結果を発表した。全国の企業就業者を対象にインターネットで調査し、1031人から有効回答を得た。
生成AIを活用している企業(PoC・試験導入を含む)は全体の60.9%で、「全社的に活用」している企業は全体の26.7%と前年から7.7ポイント増えた。AIを活用している企業にAIエージェント(自律的にタスクを実行するAI)の活用レベルを尋ねた設問では、「本番業務で自律遂行」が14.5%、「半自律運用」が26.0%、「補助利用」が33.6%だった。INDUSTRIAL-Xはこの3つを合わせた74.1%を「実運用」に達した企業と位置付け、AIエージェントが実運用フェーズに入ったとみている。
一方、企業規模別に見ると差は大きい。DXに全社で取り組む企業は大手(従業員1000人以上)で70.1%、中小(100人未満)で12.5%と、57.6ポイントの開きがあった。中小企業ではAI、DXとも未着手の企業が約6割を占め、AI人材育成に取り組んでいない企業は77.0%に上った。
「明確な成果」を得る企業は1割 成果を出す企業は何が違うのか
AIを活用する企業のうち成果を実感している企業は64.5%に上るものの、「明確な成果」が出ている企業は10.0%にとどまった。INDUSTRIAL-Xがリスクとして挙げるのが、中小企業が過半を占める「DX準備なきAI先行」層の存在だ。
INDUSTRIAL-Xは、DXへの取り組み状況と生成AIの活用状況の組み合わせで企業を4つに分類した。DXとAIの両方に取り組む「両立」が54.1%、どちらにも取り組んでいない「未着手」が30.3%、DXに取り組んでいるがAIは活用していない「DX先行」が8.8%、DXの土台がないままAI導入が先行する「AI先行」が6.8%だった。
同社が「DX準備なきAI先行」と呼ぶAI先行層は、中小企業が57.1%を占める。この層(70社)でAI推進の専任体制を持つ企業は1.4%、明確な成果を出せている企業は5.7%にとどまった。同社は、体制やガバナンスが追い付かないままAI導入が先行するリスクを指摘している。
経営関与で3.7倍の差 成果を分けた4つの組織要因
同社は、成果を分けるのはツールの性能ではなく、次の4つの組織側の変数だと分析している。
- 経営関与: 経営層が自社のテーマとして積極的に関与している企業では、AIの全社活用率が61.2%(関与なしの企業は16.2%)、AIガバナンスの全社運用率が48.8%(同6.2%)だった
- 推進体制: 成果が出ている企業の31%が専任の推進体制を持つのに対し、成果が出ていない企業では0%だった
- 人材育成: 成果が出ている企業の37.8%が全社研修を実施しているのに対し、成果が出ていない企業では0%だった
- 活用の厚み: 生成AIを活用する業務が1〜2業務の「点利用」企業では成果を実感している割合が52.6%、6業務以上の「全面活用」企業では78.3%だった
中でも経営層の関与について同社は、積極的に関与している企業では関与していない企業に比べ、「明確な成果」が出ている割合が約3.7倍(24.3%対6.6%)高いとしている。
成果は時間短縮が中心、「売上・受注増」は1割
同社は、成果が効率化にとどまる「天井」も指摘する。成果が出ている領域を尋ねた設問では「業務時間短縮」(72.3%)、「コスト削減」(41.4%)が上位で、「売上・受注増」は10.7%だった。同社は、効率化にとどまる成果を売り上げ向上や新規事業創出につなげることが今後の課題だとしている。
なお、今回の調査は2026年7月、経営者・役員を含む全国の企業就業者を対象に、大手・中堅・中小企業をほぼ均等に割り付けて実施された。回答者は経営者・役員が29.3%を占めた。前年比の数値は、同じ回答者が2026年時点で前年を振り返って答えた値だ。AIエージェントの活用レベルや成果実感など、AI活用に関する設問の多くは、生成AIを活用している企業(一部の設問は検討中の企業を含む)を集計対象としている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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