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実用的な「小型自動二輪(原付二種)スクーター」おすすめ3選 スピード制限や2段階右折を避けられる!(2021年3月版)

原動機付自転車(原付)の低い法定速度や2段階右折から解放される「小型自動二輪スクーター」は、近年のバイク市場において熱い分野の1つです。この記事では、小型自動二輪スクーターを選ぶ上でチェックすべきポイントと、それを踏まえたおすすめモデルを紹介します。

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 通勤や通学の足、そして近場の旅行にも使える「原動機付自転車(原付)」ですが、法定最高速度が時速30kmである上、3車線以上の交差点では原則として「2段階右折」が義務付けられてます。

 道路によっては他の自動車との速度差が大きく危険な上、特に東京都内だと原付“だけ”通行止めとしている高架橋やトンネルもあるため、原付だとかえって遠回りを強いられることもあります。2段階右折についても、交差点の構造によっては「どこで待機すればいいの?」「どの車線を走って待機場所に行けばいいの?」といった迷いを生じさせることもあります。

 そこで検討したいのがエンジンの排気量が50cc以上125cc未満の「小型自動二輪車」に分類されるスクーターです。このクラスのスクーターは、道路運送車両法(道路を走る車両の規格を定めた法律)では「原付二種」として分類されており、法定/制限速度が通常の自動車と同じであり(※1)2段階右折も不要でありながらも、126cc以上の普通自動二輪車よりも維持費が安くてコンパクトなことが魅力です。普通自動車免許を持っている人なら、比較的簡単な教習で小型限定の普通自動二輪免許を取得できます。

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 このような背景もあり、最近は小型自動二輪に当てはまるスクーターが数多く販売されています。この記事では、小型自動二輪スクーターを買う上でチェックしたいポイントと、それを踏まえた実用重視のおすすめモデルを紹介します。

(※1)「自動二輪車(自二輪)」「自動二輪車および原動機付自転車(二輪)」限定で制限を掛けている場合、一定の排気量以上/以下/未満で制限を掛けている場合を除きます

きちんと足付きする? 「シート」をチェック!

 スクーターを含むバイクの乗りやすさを大きく左右する要素の1つが「シート(座面)です。シートに座ったときに、左足がしっかり地面に付くかどうか、いわゆる「足付き」を必ず確認したい所です。

 今回紹介している小型自動二輪スクーターは、コンパクトなものからやや大きめのものまで、ボディーサイズ(と、それに伴う座面の高低)がさまざまです。できれば実際に腰掛けて足付きが問題ないかどうかチェックしましょう。


バイクは停車中に左足がしっかり地面に着くかどうかが重要です。できれば販売店でチェックさせてもらいたい所です(写真はスズキ「スウィッシュ」のWebサイトより)

荷物は載せる? 「収納」をチェック!

 小型自動二輪スクーターを日常の足として使う場合、あるいは旅行に使う場合は、荷物の収納能力が非常に重要な要素の1つとなり得ます。

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主な収納場所を挙げると以下の通りです。

  • リアキャリア/バスケット
  • トランク(シート下のラゲッジボックス)
  • グローブボックス
  • フロアボード(足置き)
  • フロントバスケット/キャリア

 荷物を多く載せる場合は、上記の大きさや形状をしっかりとチェックするようにしましょう。ただし、フロントバスケット/フロントキャリアは構造的に載せられないモデルがある他、載せられる場合でもオプション扱いとなっているものがほとんどです。

 リアキャリアは標準装備のモデルもあれば、オプション扱いになっているモデルもあります。ボディー構造の都合でリアキャリアが装着できない(純正オプションとして用意されていない)こともありますが、そのようなモデルではトランクを大きめにしたり、リアバスケットをオプションで装着できるようにしていたりすることもあります。

 リアキャリアを取るか、トランクを取るか――買い物に使う人、遠出の旅行で使う人は、必ず荷物の収納について念入りに確認してください。


2人乗りできることもあり、小型自動二輪スクーターの中にはヘルメットを2つ収納できるサイズのトランクを備えるものもあります(出典:ホンダ「リード125」公式Webサイト

しっかりとしたリアキャリアを備えるモデルもあります(出典:スズキ「スウィッシュ」公式Webサイト

荷物の積載は法定制限に気を付けて!

 自動二輪車で積載できる荷物には、以下の通り法令による制限があります。荷物を載せる際には順守しましょう。なお、ここでいう「積載装置」は自動二輪車に備え付けられたキャリアやバスケットや、自動二輪車でけん引するリヤカーのことを指します。

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  • 積載物の最大重量:60kg(けん引されるリヤカーは120kg)
  • 積載物の最大長:積載装置の長さ+30cm
  • 積載物の最大幅:積載装置の幅+30cm(左右で15cmずつ)
  • 積載物の最大高:2m-地上から積載装置までの高さ

 取り付けることはあまりないと思いますが、自動二輪車にけん引できるリヤカーには一定の条件がある他、けん引中の法定最高速度は時速25kmとかなり抑制されます。ただし、都道府県によっては原付によるリヤカーのけん引を禁止、または厳しく制限していることがあります。走行する都道府県の公安委員会が定める「道路交通法施行細則」または「交通規則」を必ずチェックしてください。


写真のようなリヤカーを使えば、原付単体よりも多くの荷物を運ぶことはできます。ただし、都道府県によっては原付を使ったリヤカーのけん引を禁止、または厳しく制限していることがあるので、走行する都道府県におけるルールは必ず確認してください(リヤカーに関するもの以外にも、都道府県によってルールの細かい部分が異なるケースは意外とあります)(出典:Amazon)

1回の給油でどれくらい走れる? 「燃費」と「タンク容量」をチェック!

 維持費を安く抑えられる小型自動二輪スクーターですが、意外とばかにできないのが燃料代です。当然ですが、燃費が良ければ燃料代を抑えられます。最近は公称燃費が良い小型自動二輪スクーターも珍しくありません。

 公称燃費は、大きく定地燃費値」と「WMTCモード値の2種類があります。定地燃費値は国土交通省に届け出る燃費で、平たんな直線の舗装路を一定速度(原付の場合は時速30km)で走行した場合の燃費値です。一方で、WMTCモード値は国連が策定した「WMTC(World-wide Motorcycle Test Cycle)」という排気ガス試験手順に定めるルール通りに走行した場合の燃費値です。

 WMTCに基づく試験では、一定のスケジュールに従って発進→加速→減速を繰り返します。そのため、WMTCモード値の方が、定地燃費値よりも実際の燃費に近い値となります。実燃費は走行スタイルや走行場所によって大きく変わりますが、現行の小型自動二輪スクーターを買う場合はWMTCモード値を参考に選ぶことをおすすめします。


最近のバイクのメーカースペック表では、2種類の燃費が提示されています。WMTCモード値は各メーカーが自主的に出しているものですが、測定方法の違いから、国土交通省に届け出る定地燃費値よりも実際の燃費に近くなります(出典:ヤマハ「アクシスZ」のスペック表

 合わせて、燃料タンクの容量も確認したい所です。単純計算ですが、「燃費×タンク容量」で1回の給油で走れる距離を求められます。給油の頻度を減らしたい場合は、タンク容量の大きめのモデルを選ぶことをおすすめします。給油口の位置の確認も忘れずにしましょう。

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燃料の給油口の位置はモデルによって異なります。よく確かめましょう(出典:ホンダ「リード125」公式Webサイト

「メンテナンス性」や「快適装備」も必ず確認!

 小型自動二輪スクーターをより長く、調子良く乗るためには日々のメンテナンスも非常に重要です。先述の給油口の位置はもちろんですが、バッテリーの設置位置、エンジンオイルの給油や量の確認方法など、メンテナンスのしやすさも必ずチェックしましょう。

 また、長く使うのであれば快適装備もしっかり確認しましょう。最近の小型自動二輪スクーターでは「アクセサリーソケット」や「USB充電コネクター」を備えているものが増えています。前者を備えているものは、自動車などで使われている12Vアクセサリーをそのままつなげられます。後者を備えているものは、USBケーブルを用意すればスマートフォンやポータルナビへの給電/充電に利用できます。


スズキのスウィッシュはUSB電源ソケットを備えているため、USBで給電するデバイススマートフォンの充電に使えます

おすすめの「小型自動二輪スクーター」はこれ!

 ここまでのチェックポイントを踏まえて、おすすめの小型自動二輪スクーターを紹介します。

アドレス125(スズキ)

 スズキの定番小型自動二輪スクーターです。通常モデルに加えて、シート座面を平らにしてトランクの容量を増やした「フラットシート仕様」も取りそろえています。

 普段使いを重視したモデルだけに、装備類も実用的です。フロアボード(足置き)は250mmを確保しており、地面に足を下ろしやすくする工夫も凝らされています。リヤキャリアも、太くてガッシリとしたものを標準装備しています。地面から座面までの高さは、通常モデルが745mm、フラットシート仕様が760cmと、足付きも比較的良好です。

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 公称の燃費はWMTCモード値で1L当たり約51km(1人乗車時)と、経済性にも優れています。エンジンは空冷式です。


アドレス125(通常仕様のパールグレイスフルホワイト)(出典:スズキ

ディオ110(ホンダ)

 本田技研工業(ホンダ)の小型自動二輪スクーターのエントリーモデルです。新しいボディーフレームを採用することで、軽量化を図りつつ、乗り心地に意外と影響する剛性(ボディーの固さ)をしっかり確保しています。地面から座面までの高さは760mmです。

 エンジンは空冷式で、アイドリングストップ機構も備えています。公称燃費はWMTCモード値で1L当たり約54.9km(1人乗車時)と小型自動二輪スクーターとしては優秀な値です。ただし、リアキャリアが小さめであることには注意が必要です。


ディオ110(マットスターリーブルーメタリック)(出典:ホンダ

アクシスZ(ヤマハ発動機)

 ヤマハ発動機の小型自動二輪スクーターのエントリーモデルです。エンジンは空冷式で、同社の新しい設計思想「BLUE CORE(ブルーコア)」を反映したものです。走り心地に配慮しつつ、環境性能も高めています。地面から座面までの高さは770mmです。

 公称の総重量は100kgちょうどと、小型自動二輪スクーターとしては軽量なので、スタンドを掛けるのも楽です。公称燃費はWMTCモード値で1L当たり約54.6km(1人乗車時)と、先に紹介したディオ110とおおむね同等です。


アクシスZ(マットダークグレーイッシュリーフグリーンメタリック2)(出典:ヤマハ発動機

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