家庭から出るごみの中でも、生ごみは特に扱いに困る存在です。水分を多く含むため重く、夏場はわずか数日で悪臭が発生し、コバエや害虫の温床にもなります。
こうした生ごみの問題を低減できるのが「生ごみ処理機」です。生ごみを乾燥・粉砕・分解するなどの方法で減量・無臭化する家電で、近年じわじわと普及が進んでいます。
今回は、6万円台以下で購入できる「生ごみ処理機」のおすすめを紹介します。
森坂光郎
古の「ケータイ雑誌ライター」。フィーチャーフォン時代の終焉とともに、守備範囲をIT・ガジェット・パソコン・AV家電など広範囲に拡大。趣味はゲームとアニメ・仮面ライダー・アメコミ映画などの鑑賞。好きな音楽はクラシックロックとネオアコ。
生ごみ処理機には大きく分けて、「乾燥式」「バイオ式」「ハイブリッド式」「コンポスト式(非電動)」の4つの種類があります。それぞれ得意・不得意が異なるため、家庭のライフスタイルや住居に合った方式を選ぶことが重要です。
「乾燥式」は、温風を当てて生ごみの水分を飛ばして減量する方式で、家庭用として最も普及しています。処理時間は数時間程度と短く、操作も「入れてスイッチを押すだけ」とシンプル。屋内設置に向いたコンパクトな製品が多く、扱いやすさの面では優れています。
ただし処理中は温風による臭いが多少発生することがあり、定期的なフィルター交換が必要な機種がほとんどです。電気代は1回あたり30円〜90円前後が目安。なお、乾燥と同時に撹拌・粉砕を行う「乾燥+粉砕式」もあり、ごみをより細かく処理できる分、減容率が高くなります。
「バイオ式」は、微生物(バイオ)の力で生ごみを分解・堆肥化する方式です。最近は加熱乾燥と組み合わせた「ハイブリッド式」が主流で、ごみ箱のように気づいたときに投入するだけで自動的に処理が進みます。
ごみの取り出しは数カ月に1回程度、あるいは中身が溜まったらで問題ありません。消費電力が低く静音性にも優れた製品が多い点も魅力です。一方、本体価格が乾燥式より高めで、長期的にはバイオ材の追加や交換(年1回程度が目安)といったコストもかかります。分解の過程で臭いが出ることもあるため、換気環境の確認も必要です。
「コンポスト式」は電気を使わず、容器内でゆっくりと堆肥化させる方式です。初期費用・ランニングコストともに最も低く抑えられますが、屋外設置が基本で、処理に数週間から数カ月かかるのがデメリット。虫の発生や臭いのリスクもあるため、庭や広いベランダに設置できる環境での使用が推奨されます。
なお、生ごみ処理機の購入時には、自治体が実施している購入助成金(補助金)制度をチェックするのがおすすめです。多くの地域で、購入金額の2分の1〜3分の1(上限2〜3万円程度)がキャッシュバックされるため、高額なハイブリッド式や乾燥式も実質半額近くで購入できます。
ただし、自治体ごとに「指定の店舗での購入が必要」「予算上限に達し次第、年度の途中で終了する」「事前の申請が必要」などの細かいルールがあるため、購入前に、自治体の公式サイトなどで対象条件を確認しておきましょう。
生ごみ処理機の購入の際にまず確認したいのが、家族の人数と処理量の目安です。1〜2人なら最大処理量700g前後のコンパクトモデルで十分ですが、3人以上の家庭や料理の頻度が高い場合は、1kg以上を処理できる大容量モデルが向いています。
香川県に本社を置く環境プラントエンジニアリング会社であるシマは、温風乾燥式の生ごみ処理機「パリパリキュー」シリーズを販売しています。今回紹介するモデル「パリパリキューライト PCL-35」は、コンパクトな1〜3人用タイプなので、少人数の家庭におすすめです。
処理モードは、少なめモード(約200〜400g)と通常モード(約400〜700g)の2種類を搭載。いずれも乾燥終了を検知して自動停止する機能と、3時間後に運転を開始するスタート予約機能を搭載しています。
上位モデルにある撹拌・粉砕機能は持たないシンプルな温風乾燥式ですが、消費電力が低く動作音も静かで、コストパフォーマンスの高さからシリーズ内で安定した人気を誇ります。
脱臭フィルターの交換目安は1個あたり4〜9カ月。本体のカラーはピンクゴールド、グレイッシュシルバー、トリコロールなどを展開しています。ショッピングサイトでは2万円前後で販売中です。
国内家電大手のパナソニックは、生ごみ処理機においても長年「生ごみリサイクラー」の名称で市場を牽引してきたパイオニアで、現在も安定した人気を誇ります。フィルター交換不要のプラチナパラジウム触媒脱臭を採用した大容量モデル「MS-N53XD」をはじめ、ラインアップが充実しています。
パナソニックの「MS-N25」は、6月に発売された家庭用生ごみ処理機最新モデルです。生ごみを乾燥させながら同時に粉砕する「乾燥+粉砕」方式により、水分を効率よく除去し、生ごみの量を約10分の1にまで削減します。
ごみの軽量化によって、ごみ出し時の負担を軽減できるほか、1日あたり約400gの生ごみであれば、約5日分の追加投入が可能。処理後の生ごみは乾いた状態となるので、家庭菜園やガーデニングの土づくりなど、肥料としても活用できます。
容器を約130度に加熱することで生ごみを乾燥させ、臭いの発生を抑えるとともに、消臭炭フィルターを組み合わせた脱臭構造を採用し、処理中の臭いを抑えます。
本体は横幅・奥行ともに約23cmのコンパクトサイズで、ごみ箱を置くような感覚で設置でき、キッチンでも邪魔になりません。コンパクトながら1回の使用で最大約700gの生ごみを処理できるほか、ふたはワンプッシュで開閉でき、調理中や後片付けの際にも片手でスムーズに生ごみを投入できます。ショッピングサイトでは6万5000円前後で販売中です。
recolte(レコルト)は2009年に誕生した、キッチン家電のブランドです。日本の環境や食事スタイルに寄り添った心地よいサイズ感・シンプルな操作性・手入れのしやすさを大切にした製品を展開しています。
recolteの生ごみ処理機は現行2モデル展開で、初代の「RDP-1」と3月発売の最新モデル「RDP-2」があります。最新モデルは初代よりもコンパクト・軽量化し、消費電力も抑えているのが特徴。キッチンの限られたスペースにも置きやすい、「乾燥+粉砕」方式の生ごみ処理機です。
活性炭のグレードを高めた新型脱臭フィルターを採用し、臭気評価試験では初代モデル比でピーク時の臭気が約22%軽減されています。容量は約1.5Lと小さめですが、1〜2人世帯や省スペースを重視する家庭に向いています。
使用方法は料理の際に出た生ごみをバスケットにポイっと投入するだけ。バスケットを本体から取り外して生ごみを入れることも可能なので、調理中も手間いらずです。
ヒーター加熱と送風によって生ごみを乾燥させ、バスケット内の羽根で撹拌しながら粉砕。生ごみの重さが約10分の1にまで軽量化され、ごみ出しの負担を大幅に削減します。ショッピングサイトでは4万円前後で販売中です。
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