「流し台」「洗面台」「排水口」の“ぬめり” どうしてできる? どうやったら取れる? キレイにしてみよう!【2021年8月版】
キッチンの流し台(シンク)、洗面台や排水口付近の“ぬめり”、とても気になりますよね。このぬめりの正体に触れつつ、掃除する方法を簡単に紹介します。
キッチンの流し台、洗面台や風呂場などの排水口において、とても気になるものが“ぬめり”です。見るからにテカテカしているものの、何となく触れるのもはばかられて、なかなか掃除できない……という人もいるはずです。
そもそも、この“ぬめり”の正体は何なのでしょうか。なるべく触れずに掃除する方法はないものなのでしょうか。解説していきます。
おことわり
この記事で紹介する掃除方法は、流し台や排水口の素材によっては適さない場合があります。実行する前に、流し台や洗剤類の取扱説明書をよく読んで、適切な掃除方法かどうかを確認してください。
【訂正:8月18日10時40分】初出時、クエン酸や食酢を使った際の掃除の説明として重曹と混ぜて使う方法を紹介していましたが、効果と安全性の面で不適切であることから記述を削除した上で適切な方法を記載しました。おわび申し上げます
そもそも“ぬめり”の正体は?
流し台や排水口などにできるぬめりの多くは、細菌やバクテリアが汚れを栄養分にして増殖する過程で生まれる膜で、「バイオフィルム」といいます。このバイオフィルムは、細菌やバクテリアが自らを守るために分泌するものです。
バイオフィルムが多くなると、悪臭の原因になるだけではなく、排水管にも付着すると排水の詰まりを引き起こす可能性があります。
なぜ“ぬめり”は発生する?
ぬめり(バイオフィルム)は、先述の通り流し台や排水口の汚れが原因で発生します。例えば、台所の流し台であれば、流し台に残った油分や食べかすが、ぬめりの元凶となり得ます。
ただ、単に汚れがたまるだけなら、それほどぬめりはひどくなりません。汚れに水分が合わさると、一気にぬめりが発生しやすくなります。室温が20〜30度くらいになりやすく、湿度も高い夏場は、汚れ×水分で一気にぬめりが広がりやすくなります。
なお、細菌の中には水分さえあれば増殖できるものもあります。特に風呂場の排水口では、このタイプの細菌によるぬめりが多く発生するので気を付けましょう。
汚れが軽度なら「重曹」や「クエン酸」を試してみよう
万が一、ぬめりが発生してしまった場合、どうすれば取れるのでしょうか。
ぬめりの原因となる汚れの多くは酸性です。また、ぬめり自体も酸性のものが大です。よって、多くのぬめりや汚れはアルカリ性の洗剤を使うと効率的に落とせます。
ぬめりが軽度であれば、重曹(炭酸水素ナトリウム)やセスキ炭酸ソーダを使ってみてください。手順は以下の通りです。
- ぬめりに重曹またはセスキ炭酸ソーダを振りかける
- 振りかけた場所に少量の水またはぬるま湯を振りかける
- 泡立ちを確認したら30分〜1時間ほど放置する
- 水でしっかりと洗い流す
ただし、流し台の「水アカ」や風呂場の「石けんかす」はのように、ぬめりの原因となる汚れにはアルカリ性のものもあります。その場合は酸性の洗剤の方が効果的です。アルカリ性の汚れに対しては、それが軽度であればクエン酸や食酢を使うと効率的に落とせます。
ただし、先述の重曹やセスキ炭酸ソーダと同時に使うと効果が薄くなってしまうため、重曹やセスキ炭酸ソーダで掃除した後に、よく水ですすいでから改めてクエン酸や食酢を使って掃除するようにしましょう(手順は逆でも構いません)。時間を余計に取りますが……。
クエン酸を使うと、ぬめりの原因となりうるアルカリ性の汚れも一緒に落とせます。写真の「クエン酸の激落ちくん」(レック)のような掃除用のクエン酸はもちろん、食品添加物として販売されているクエン酸でも効果はあります。ただし、塩素系の洗剤との併用は厳禁です(画像出典:Amazon)
小まめに水回りの掃除をしていれば、重曹/セスキ炭酸ソーダとクエン酸/食酢で十分にぬめりを抑制できます。水分をしっかり拭き取り換気を怠らなければベターです。
しつこい汚れがある場合は「塩素系洗剤」も検討しよう
ぬめりや汚れがしつこい場合、あるいは除菌も合わせて行いたい場合は塩素系洗剤を使うという手もあります。
塩素系洗剤を使う際の注意点
塩素系洗剤は、酸性の洗剤(クエン酸や食酢を含む)と混ざると塩素ガスが発生します。塩素ガスは人体に有害なので、塩素系洗剤は酸性の洗剤と一緒に使わないようにしてください。
塩素系洗剤と酸性の洗剤をどうしても併用したい場合は、どちらか片方の洗剤で洗浄した後、水で完全に流しきってからもう片方を使うようにしてください。
別の洗剤と併用しない場合も、塩素系洗剤はよく換気しながら使ってください。
最近は手間の少ない「発泡洗剤」が多い
流し台、洗面台や排水口で使う場合は、水をかけると発泡するタイプの塩素系洗剤がベストです。最近は発泡力を強めて、流し台のダストトレー(ゴミ受け)や排水口全般を“覆う”ように薬剤を行き渡らせるものもあります。
発泡タイプの塩素系洗剤は、以下の手順で使います。
発泡タイプの洗剤は、大きく「キッチン用」「風呂用」「キッチン/風呂両用」がありますが、基本的な原理は一緒なので、どれを使っても効果は大差ありません。ただし、キッチン用は、ダストトレーに振りかけて使うことを想定して発泡力がやや強めな傾向にあります。
- 洗剤が指定する量の水またはぬるま湯をあらかじめくんでおく
- 洗剤(粉末)を排水口あるいはダストトレイの底にまんべんなく振りかける
- くんでおいた水またはぬるま湯を粉末にまんべんなく振りかける
- 泡だったことを確認して30分〜1時間放置する
- 水またはぬるま湯できれいに洗い流す
スプレータイプの漂白剤もおすすめ(特に三角コーナーのぬめり取り)
ぬめり対策としては、スプレータイプの塩素系漂白剤もおすすめです。液剤が泡のようになるタイプなら、深さのあるダストトレーにもピッタリです。液剤を吹きかけたら、30分〜1時間ほど放置して水で流しましょう。
スプレータイプの塩素系漂白剤は三角コーナーのぬめり取りにも使える他、まな板や包丁の除菌にも使えるので、汎用(はんよう)性も高いです。
しつこい汚れはこすって取ろう
ぬめりや汚れがしつこくなければ、ここまで紹介した方法である程度キレイになります。しかし、あまりにしつこい場合は、たわしやスポンジ、使い古した歯ブラシなどを使って磨くことをおすすめします。
流し台専用のたわし/スポンジは、食器とは別に用意すると、衛生面でもより安心です。流し台の本体やダストトレーを定期的に磨けば、少なくとも流し台やダストトレーにはぬめりが付きにくくなります。食器用の中性洗剤と併用するとベターです。
とりわけ台所のダストトレーは、洗剤“だけ”の力では細かい汚れを取りきれないこともあります。磨き洗いも、可能な限り実施しましょう。
アルカリ性の洗剤や塩素系洗剤で磨き洗いする場合の注意
アルカリ性の洗剤や塩素系洗剤を使って磨き洗いをする場合、皮膚に影響が出やすいのでゴム手袋を装着して行うようにしてください。先述の通り、塩素系洗剤については換気も忘れずに行ってください。
流し台用のたわしやスポンジを用意しておくと、流し台やダストトレー、三角コーナーなどの掃除にも便利です。「(汚れがひどくなければ)水だけで十分汚れを落とせる」という流し台専用のたわしやスポンジもあったりします
ワントラップや排水管も掃除するとベター
流し台、洗面台、排水口付近のぬめりが取れたら、スッキリ解決……と思いきや、そうとも言いきれません。排水管にもぬめりが発生することがあるからです。流し台であれば、トラップ(排水やニオイの逆流を防ぐ機構)にもぬめりが発生する可能性があります。
ぬめり対策を本格的に行うなら、排水管やトラップも合わせて掃除することをおすすめします。害虫(特に「小バエ」や「ゴキブリ」)対策にもなります。
トラップは、取り外した上でアルカリ性の洗剤、または塩素系洗剤で漬け洗いした上で磨き上げるといいでしょう。汚れがひどくなければ、流し台用のたわしやスポンジに食器用洗剤を付けて洗っても構いません。
排水管は、専用の細長いたわしを使って磨いてもいいですが、パイプ専用の洗剤(洗浄剤)を使うと楽です。洗剤の説明書の指示に従ってうまく使ってみてください。
しっかり掃除をしたら「ぬめり取り」を
しっかり掃除をした後は、排水口に「ぬめり取り(ぬめり防止剤)」を置いておくと便利です。キッチン用では、ダストトレーの上に置くタイプと、ダストトレーの中に入れるタイプが多いです。風呂用だと、排水口のガードの内側に付けるタイプが主流です。
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