「JR線のきっぷ(乗車券/特急券)」のオンライン予約、「えきねっと」でやってみよう!【2021年11月版】
JR線の乗車券や特急券のWeb(インターネット)予約サービスは、JRの旅客会社ごとに異なります。この記事では、主にJR東日本エリアやJR北海道エリアで利用できる「えきねっと」の使い方について紹介します。
国内出張や旅行の際に、目的地によってはJRの新幹線や特急列車を使うこともあると思います。皆さんは新幹線のきっぷ(乗車券/指定席券/特急券)をどうやって購入しているでしょうか?
JRのきっぷはWeb(インターネット)でも予約できます。ただし、自分が住んでいるエリアを管轄するJR(旅客鉄道会社)によって、予約に使えるシステムは異なります。
この記事では、主にJR東日本(東日本旅客鉄道)やJR北海道(北海道旅客鉄道)エリアで利用できる「えきねっと」の使い方をご紹介します。
お知らせ
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そもそも「えきねっと」って?
えきねっとは、JR東日本が運営するきっぷのWeb予約システムです。2021年11月現在、予約/購入できるきっぷは以下の通りです(注意点は後述します)。
- JR線のきっぷ(普通乗車券/指定席券/特急券)
- JR線と私鉄線との連絡きっぷ(普通乗車券/指定席券/特急券)の一部
- 新幹線eチケット(東北/上越/北陸/山形/秋田新幹線のチケットレス特急券)
- えきねっとチケットレスサービス(在来線特急列車用のチケットレス特急券)
- 「おトクなきっぷ」(割引乗車券や周遊乗車券など)の一部
- JR東日本ダイナミックレールパック(きっぷと宿泊がセットになった自由行動ツアー)
- 駅レンタカー(JR東日本レンタリースが運営するものに限る)
利用にはえきねっとの会員登録が必要です。JR東日本の「My JR-EAST ID」を持っている場合は、えきねっとの会員情報とひも付けることで同IDでのログインもできます。
登録できるクレジットカードについて
えきねっとに登録できるクレジットカードのブランドは以下の通りです。当該ブランドが付帯するものであれば、デビットカードやプリペイドカードも登録できます。
- ビューカード(他社が発行する「TypeII」カードを含む)
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
ただし、3Dセキュア(インターネット上での本人認証)に対応していないカードは登録できません。カードによっては3Dセキュアの利用に事前申し込みが必要な場合もありますので、不明点はカードの発行会社に問い合わせてください。
デビットカード、プリペイドカードの場合、きっぷの受け取りや払い戻しの際にうまく手続きできないことがあります。国内発行のクレジットカードを登録することをおすすめします。
最近はプラスチックカードを発行しない「バーチャルカード」も増加傾向にありますが、バーチャルカードではきっぷを受け取れません。きっぷを受け取る場合は、実体のあるカードを使うことをおすすめします。
予約したきっぷは、以下の会社の駅にある「みどりの窓口(きっぷうりば)」や「指定席券売機(みどりの券売機)」「みどりの受取機」で受け取れます。支払い方法はクレジットカードの他、ただし、注意点も多いので詳しいことは後述します。
- JR東日本
- JR北海道
- JR西日本(西日本旅客鉄道)(北陸エリアの一部の駅のみ)
記事執筆時点ではJR東海(東海旅客鉄道)の駅では受け取れません。ただし、2022年春をめどに主要駅の指定席券売機で受け取れるようになる予定です(参考リンク、PDF形式)。
きっぷの代金は、会員情報に登録したクレジットカードの他、駅やコンビニエンスストア/金融機関(Pay-easy)でも支払えます(一部商品はクレジットカード払いのみとなります)。
予約できるきっぷは?(詳細)
えきねっとで予約できるきっぷについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
JR線のきっぷ/JR線と私鉄線との連絡きっぷ
全国のJR線の普通乗車券、指定席券、特急券と、JR線と私鉄線を連絡する乗車券、指定席券、特急券の一部を予約/購入できます。指定席券や特急券と同時購入することも可能です。連絡きっぷについては、予約時の検索結果で「きっぷ・座席の種類選択へ進む」ボタンがクリック/タップできる状態になっていれば予約/購入できます。
JR東日本エリア(と一部の直通私鉄線)の一部特急列車では、指定席特急券の早期予約割引「えきねっとトクだ値」が設定されています。えきねっとトクだ値は、後述の「新幹線eチケット」や「えきねっとチケットレスサービス」とも併用可能です。
新幹線eチケット
新幹線eチケットは、JR東日本/JR北海道の新幹線と北陸新幹線で利用できるチケットレス乗車サービスで、えきねっと会員は対象の全ての新幹線を利用できます。乗車する際には、原則としてえきねっと会員情報とひも付けた交通系ICカードが必要です。
このチケットは乗車券と特急券が一体化したきっぷという扱いで、両者を通常価格で価格で購入するよりも手頃な価格となります。指定席を利用する場合は、指定席特急料金(相当額)が一律で200円引きとなります。条件を満たせばえきねっとトクだ値を適用することも可能です。「大人の休日倶楽部」やJR東日本の株主優待を使った割引にも対応し、片道601km以上移動する場合の「往復割引」も自動適用されます。
「新幹線eチケット」について
- 原則として購入した列車の指定した座席/区間のみ有効です(乗り遅れた場合の扱いは後述します)
- 同一旅程で最大6人分まで予約できます。この場合、同行する全員の交通系ICカードのIDを登録するか、乗車前にきっぷに引き換えてください
- 同一旅程で移動する人に小児(子ども)が含まれる場合、子ども運賃を適用する乗車分には小児(子ども)用交通系ICカード(小児用「My Suica」など)のIDを登録してください
- 紙のきっぷとして受け取っていない場合は、改札の通過前であれば発車予定時刻の4分前まで回数制限なく予約を変更できます。ただし、えきねっとトクだ値を適用して購入した場合、予約変更のタイミングによっては同一の割引を適用できないことがあります
- 乗車券相当の部分には特定都区市内制度(東京山手線内、東京都区内など)が適用されません。在来線に乗り継ぐ場合、発駅/着駅によっては通常のきっぷよりも運賃総額が高くなる恐れがあります(予約時に提示される運賃をよく確認してください)
「新幹線eチケット」で指定列車に乗り遅れた場合の扱い
予約変更をし忘れるなどして、新幹線eチケットで指定列車に乗り遅れた場合の扱いは、購入したチケットの内容によって異なります。
「えきねっとトクだ値」を適用せずに購入した場合
乗車日の当日に限り、後続列車に乗車できます。
- 普通車指定席を予約していた場合
- 普通車自由席を利用できます。自由席のない(全車指定席の)後続列車に乗車する場合は立席利用となります。
- グリーン車/グランクラス指定席を予約していた場合
- 空席があり、かつ運輸上支障がない場合に限り、予約していた座席と同等の座席を利用できます。そうでない場合は、普通車指定席を予約していた場合と同じ扱いです。
「えきねっとトクだ値」を適用して購入した場合
特急券部分が無効となります。当日中の後続列車に乗車したい場合は、特急券のみ改めて購入してください。
えきねっとチケットレスサービス
えきねっとチケットレスサービスは、JR東日本が運行する以下の在来線特急列車で利用できます。列車にもよりますが、普通に指定席特急券を購入するよりも100〜300円引きとなることが大きなメリットです。条件を満たせば、えきねっとトクだ値も適用できます。
- あずさ/かいじ/富士回遊(富士急行線を含む)
- はちおうじ/おうめ
- ひたち/ときわ
- 踊り子(伊豆急行線、JR東海の東海道線、伊豆箱根鉄道駿豆線を含む)/湘南
- スワローあかぎ
- 成田エクスプレス
- あかぎ
「えきねっとチケットレスサービス」について
- えきねっとチケットレスサービスの利用には、クレジットカードの登録が必要です。
- 同一旅程で最大6人分まで予約できます。
- 事前予約サービスを利用する場合は、アプリから申し込んでください(Webサイトからは利用できません)。
- 紙のきっぷの発行はできません。
- えきねっとチケットレスサービスには普通乗車券が含まれません。別途、有効な普通乗車券、またはおトクなきっぷを用意してください。普通車を利用する場合は定期券でも構いません(グリーン車指定席を利用する場合は定期券で乗車できません)。
- 交通系ICカードのサービスエリアでは、普通乗車券/定期券の代わりに交通系ICカードも利用できますが、以下のいずれかに当てはまる場合は普通乗車券を用意してください。
- 「浪江」「原ノ町」の両駅を超えてひたち号に乗車する場合(Suicaの「首都圏エリア」と「仙台エリア」をまたぐため)
- 三島駅で踊り子号に乗車/下車する場合(SuicaエリアとTOICAエリアをまたぐため。ただし、熱海〜三島間で有効なSuica/TOICA/磁気定期券は普通乗車券の代わりに利用可能)
- 「三島田町」「大場」「伊豆長岡」「大仁」「修善寺」のいずれかの駅で踊り子号に乗車/下車する場合(伊豆箱根鉄道駿豆線では交通系ICカードを利用できないため)
- 予約は発車予定時刻まで回数制限なく変更できます。ただし、指定席の区間にJR東海エリア(踊り子号の熱海〜三島間)を含む場合は1回限りとなります(2回目の変更が必要な場合は、一度払い戻した上で再度予約となります)。
- 予約変更の失念などで予約列車に乗車できなかった場合は、当日に限り、後続のチケットレスサービス対応特急列車の空席を利用できます(「座席未指定特急券」と同じ扱いです)。
- 車掌や駅係員から特急券の確認を求められた場合は、申込履歴の詳細ページを提示してください。
- 指定区間の途中駅からの乗車、または途中駅での下車も可能ですが、料金差額の払い戻しはありません。
予約したきっぷの引き取り方法
えきねっとで予約/購入したきっぷは、対象となるJRの「みどりの窓口」「指定席券売機」で受け取れます。受け取りに必要なものは以下の通りです。
- クレジットカードで事前決済している場合(いずれか1点)
- 決済に利用したクレジットカード
- QRコード(指定席券売機のみ)
- 受取コード
- えきねっと会員番号(みどりの窓口のみ)
- その他の決済方法を選択した場合(いずれか1点)
- QRコード(指定席券売機のみ)
- 受取コード
- えきねっと会員番号(みどりの窓口のみ)
きっぷを受け取れるのは、毎日5時から23時30分までのうち、券売機/窓口の営業時間となります。
きっぷの引き取りに関する注意点
えきねっとで予約/購入するきっぷについて、特に気を付けるべきポイントは以下の通りです。
えきねっとで予約/購入できないきっぷ
えきねっとでは以下のきっぷの予約/購入に対応していません。面倒でもみどりの窓口、またはリモートサポート機能を備える指定席券売機(PDF形式)で予約/購入してください。
- 申請書類の提出や本人確認が必要なきっぷの購入
- 「学生割引(学割)」を適用した普通乗車券
- 「身体障害者割引」を適用した普通乗車券
- 「知的障害者割引」を適用した普通乗車券
- 「ジパング倶楽部」の割引を適用したきっぷ(※1)
- 寝台券(※2)
(※1)JR東日本/JR北海道の「大人の休日倶楽部ジパング」会員の場合、「大人の休日倶楽部」会員向けの割引を適用したきっぷは購入できます。「ジパング倶楽部」会員向けの割引を適用したきっぷは購入できません
(※2)東京〜高松間の「サンライズ瀬戸」と東京〜出雲市間の「サンライズ出雲」にある「ノビノビ座席」は普通車指定席扱いなので予約/購入可能です
JR北海道/JR西日本エリアでは受け取れないきっぷ
JR北海道エリアやJR西日本の北陸エリアでは、以下のきっぷを受け取れません。面倒でもJR東日本エリアで受け取ってください。
- JR東海が運営する路線を含むきっぷ
- JR北海道やJR西日本と「連絡運輸契約」を締結していない私鉄線の区間を含む連絡きっぷ
- JR東日本独自のきっぷ(JR東日本の株主優待割引を適用したきっぷ、JRE POINT特典チケットなど)
- 「大人の休日倶楽部」割引を適用したきっぷ(JR北海道エリアでは受け取れます)
この画像に記載のある私鉄線を通る連絡きっぷは、JR北海道とJR西日本の駅でも受け取れます。ただし、JR西日本では「青い森鉄道」と「IGRいわて銀河鉄道」を通る連絡きっぷを受け取れません(出典:えきねっと)
クレジットカード払いのみとなるきっぷ
えきねっとで予約/発券できるきっぷのうち、以下のいずれかの会社の路線を含むものは、クレジットカード払い(申し込み時の決済)のみとなり、「えきねっと事前予約」(※3)の対象外となります。
- JR東海
- JR四国(四国旅客鉄道)
- JR九州(九州旅客鉄道)
小倉駅または博多駅を着駅/発駅とする旅程を予約する場合、選択する経路によってクレジットカード以外の決済方法や事前予約への対応/非対応が変わります。
(※3)通常の予約開始時間(乗車日1カ月前の10時)よりもさらに1週間前の14時から事前予約を受け付けるサービス。ただし、確定予約はルール通りに行われるため、事前予約は予約の“確約”を意味するものではありません(状況によっては予約に失敗することもあります)
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