着用努力義務化の自転車用ヘルメット、自転車に乗らないときはどうする? 持ち運ぶ以外の方法は?
4月1日から、自転車利用者の全年齢においてヘルメット着用が努力義務化されます。これにより新たな問題が浮上しそうです。それは“自転車に乗らないとき、ヘルメットをどうするか”です。駐輪する場所や止めている時間の長短、さらに自転車の種類によってベターな選択は異なります。いくつかの方法を紹介しましょう。
4月1日から、自転車利用者の全年齢においてヘルメット着用が努力義務化されます。これにより新たな問題が浮上しそうです。それは“自転車に乗らないとき、ヘルメットをどうするか”です。駐輪する場所や止めている時間の長短、さらに自転車の種類によってベターな選択は異なります。いくつかの方法を紹介しましょう。
大屋雄一
モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。
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オートバイのヘルメット着用も努力義務から始まった
間もなく始まる自転車利用者のヘルメット着用努力義務化。歴史を振り返ってみると、実は同じ二輪車のオートバイ(モーターサイクル)も、今でこそノーヘルで走っていると乗車用ヘルメット着用義務違反の対象となりますが、ここに至るまでの道のりは段階的だったのです。
オートバイにおけるヘルメットの着用義務がスタートしたのは1965年のこと。最初は高速道路のみで、罰則のない努力義務でした。その後段階的に規制強化が進み、1986年には全てのバイク・道路で完全に義務化されました。この背景には、オートバイ人口の急増および死亡事故の増加があります。自転車についても、努力義務だけで一定以上の効果が見られなければ罰則ありに変わる可能性があることを、オートバイの歴史が証明しています。
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前かごに置きっぱなしは盗難の恐れも
ヘルメットは、自転車に乗るとき以外は邪魔になります。通勤・通学や買い物などでシティサイクル(ママチャリ)を利用している人なら、前かごに入れておけばいいと考えるかもしれません。屋根付きや地下の駐輪場であればそれでもいいのですが、そうでない場合、雨が降ってきたときに内装のスポンジがぬれてしまいます。
また、前かごに入れたままだと盗まれる可能性もゼロではありません。ビニール袋で水ぬれ対策をした上で、ワイヤー錠などで自転車のフレームや荷台にくくり付けておくと安心です。
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専用のバックパックを利用する
前かごのないクロスバイクやロードバイク(スポーツサイクル)の場合はどうでしょうか。スポーツサイクルに乗る人は、すでにヘルメットを常用していることが多いです。こうした人たちは、コンビニに立ち寄るなど少しだけ自転車から離れる場合は、ハンドルバーなどに顎ひもを通してぶら下げておくか、かぶったまま入店します。
長時間離れる場合は、ママチャリと同様にワイヤー錠などでフレームにくくり付けてもいいのですが、塗装面に傷が付く恐れがあります。やはりベストなのは持ち運ぶことでしょう。自転車用ヘルメットの重さは300g前後。およそ卵5〜6個分に相当します。オートバイ用のフルフェイスヘルメットは1.5kgを超えますので、それと比べると重くはないですが、荷物としてはかさばります。
そこでおすすめなのが、バッグ本体の外側にヘルメットが取り付けられる、専用のバックパックを利用することです。これならメイン収納部の荷物が満杯でも、ヘルメットを問題なくホールドできます。また、ヘルメットホルダーを標準装備しているバックパックは、自転車特有の前傾姿勢を考慮した設計になっている製品が多いです。そのため、背負って走ったときのフィット感や背中の蒸れにくさが、一般的なバッグとは格段に違います。
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ヘルメットホルダーを取り付ける
わざわざ専用のバックパックを買うのはちょっと……という人には、ヘルメットホルダーだけを用意するという方法を紹介します。汎用品なので必ずしも全てのバックパックに取り付けられるとは限りませんが、ストラップを追加するなどの工夫次第で使えるようになるでしょう。
なお、カラビナなどでバッグからぶら下げている人もいますが、混雑した街中や公共交通機関では邪魔になりやすいです。また何かの拍子にぶつけて衝撃が加わると、ヘルメットとしての保護性能が低下してしまうので、あまりおすすめはできません。
ヘルメットの定期的な洗濯も忘れずに!
ヘルメットは帽子などと同様に、かぶり続けていると汗や皮脂で汚れます。特に暑い夏場は臭いが気になることも。製品によっては内装(パッド)を取り外して洗濯できるものがあるので、定期的に洗うことをおすすめします。
ヘルメットを丸洗いしてしまう人もいますが、深部に浸入した水分により劣化するため、推奨していないメーカーもあります。必ず取扱説明書を確認した上で判断するようにしてください。
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