「カワサキのバイク」は好き嫌いが分かれる? ラインアップから見える特色や魅力を解説
「カワサキ」は、日本4大バイクメーカーの中で、唯一スクーターをラインアップしていません。かつては「漢(おとこ)カワサキ」などという、無骨さを想起させる表現が用いられていましたが、2008年に発売した「ニンジャ250R」が大ヒットしたあたりから、だいぶそのイメージが薄まった感があります。
「カワサキ」は、日本4大バイクメーカーの中で、唯一スクーターをラインアップしていません。かつては「漢(おとこ)カワサキ」などという、無骨さを想起させる表現が用いられていましたが、2008年に発売した「ニンジャ250R」が大ヒットしたあたりから、だいぶそのイメージが薄まった感があります。
そんなカワサキは、万人受けのホンダと比べると好き嫌いが分かれる傾向にありますが、どんな特徴を持つのでしょうか。ラインアップから見える特色や魅力について解説しましょう。
大屋雄一
モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。
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初めて発売したのはスクータータイプ
日本三大重工業の一角である川崎重工業。その巨大企業で唯一のBtoC事業を担っていたのが「モーターサイクル&エンジンカンパニー」という一部門のカワサキでした。この部門は2021年10月に分社化され、現在はカワサキモータースという新会社となっています。
さて、カワサキが初めて自社ブランドでバイクを発売したのは1954年のこと。意外ですが、そのバイクはスクーターだったのです。その後、1963年にバイクメーカーの目黒製作所を傘下に収め、北米向けに大排気量車の開発に注力していきます。
そして1972年、満を持して「900スーパー4(通称Z1)」を発売するや否や世界的に大ヒットとなり、カワサキ=ビッグバイクのイメージを不動のものにしたのです。
これに続いたのが、1984年に発売された「GPZ900R」で、このとき初めて「ニンジャ」というペットネームが用いられました。現在、空冷4気筒エンジンを搭載したZ1、水冷4気筒のニンジャとも中古市場で非常に人気が高く、コンディションが良い車両であればZ1は500万円以上、ニンジャは200万円以上で取引されています。
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「伝統と革新」を重んじる
Zやニンジャ、そして目黒製作所の「メグロ」といった呼称は、そのまま最新のラインアップにも引き継がれています。Zはネイキッドモデル全般に、ニンジャはフルカウルのスポーツモデルにその名を採用。
またメグロについては、現在は「W800」をベースとした「メグロK3」の1機種のみですが、先に開催されたジャパンモビリティショーでは、軽二輪の「メグロS1」が正式に加わることが発表されました。
カワサキは以前から「伝統と革新」を重んじており、こうしたモデル名やスタイリングからも、往年の名車へのリスペクトが感じられます。また革新については、近年ですと2015年に登場した「ニンジャH2」がその代表格と言えるでしょう。
スーパーチャージドエンジンやスチール製トレリスフレームなど、川崎重工グループの総力を結集して開発されたもので、その技術は現行モデルの「ニンジャH2 SX」や「Z H2」に受け継がれています。
バイク好きの琴線に触れる車種を厳選している
現在、カワサキの稼ぎ頭となっているのが「Z900RS」です。2017年12月の発売以来、401cc以上の小型二輪クラスにおいて販売台数トップを快走中で、その勢いは6年が経過した今も衰えそうにありません。
Z900RS快進撃の理由は、往年の名車Z1のイメージを見事なまでに再現したスタイリングにあります。Z1に憧れているものの、「程度の良い中古車は驚くほど高いし、維持するにもパーツがない……」。そんなベテランライダーに刺さったのがZ900RSなのです。
そして、これに続いたのが2020年9月に発売された「ニンジャZX-25R」です。カワサキとしては13年ぶりに250ccの並列4気筒エンジンを復活させたことになり、1980年代のレーサーレプリカブームを知る世代が大いにわきました。
Z900RSもニンジャZX-25Rも、根っからのバイク好きの「こんなモデルが復活したらいいのに……」という熱量が高まったタイミングで登場しており、だからこそ大ヒットにつながったのです。
ラインアップしているモデル数では他社に及びませんが、バイク好きの琴線に触れる車種を厳選して用意しているのがカワサキの特徴と言えるでしょう。
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万人受けではないが、ビギナーが扱いやすい車種もあり
優等生で万人向けのホンダなどと比較して、カワサキが扱いづらいということは決してありません。押し出しの強いスタイリングの車種が多いため、好き嫌いが分かれるのですが、見た目に惚れたら迷わず買いでしょう。
特に小排気量の「ニンジャ250/400」や「Z250/400」、「エリミネーター」などは、ビギナーにとって扱いやすいだけでなく、操縦の仕方によってワンランク上の走りが引き出せるという奥深さまで作り込まれています。バイクが大好きな開発陣のメッセージがダイレクトに伝わってくる、それがカワサキなのです。
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