【北八ヶ岳】縞枯山・茶臼山をトレッキング こけむす森で癒しの山歩きを楽しみました

[立山 亜樹，Fav-Log]

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　長野県にある「北八ヶ岳（きたやつがたけ）」は、岩稜が主役の南八ヶ岳と違い、針葉樹林とコケに覆われた深い緑が広がる、静寂に包まれた山域です。

　今回、北八ヶ岳ロープウェイで一気に標高2237mの坪庭へ上がり、縞枯山荘を経由して縞枯山（2403m）、茶臼山（2384m）をつなぐ周回コースを歩きました。

豊かな自然を堪能できる北八ヶ岳

　自然豊かな森や自然現象を間近で見られる、癒したっぷりの山歩き。ここでは、どんな景色の中を歩いたのかや、これから訪れる人へのアドバイスを紹介します。

立山 亜樹

フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員の経験を活かし、登山やキャンプをはじめとしたアウトドアアイテムから、日常を便利にする生活グッズ、仕事の効率を高めるビジネスツールや最新ガジェットまで、幅広いアイテムのレビューを執筆。自身の体験をベースに、実際に使って感じたリアルな視点で、読者が「これ欲しい！」と思えるような情報をお届けします。

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ロープウェイで約7分　坪庭からスタート

坪庭周辺はなだらかな道が続き、初心者でも楽々

　100人乗りの大型ゴンドラで山麓から山頂駅まで約7分。扉が開いた瞬間、ひんやりとした空気と、火山地形がつくる溶岩の庭「坪庭」が広がります。道端には風に揺れる高山植物。周回路は30〜40分で起伏は控えめですが、視界は広く、空と岩の黒、木々の緑のコントラストが美しく感じられます。

縞枯れの森が遠くに見える

　坪庭からは、ところどころ山肌に白い帯のような部分が見えます。これが「縞枯れ」と呼ばれる現象。木々が帯状に立ち枯れ、時間が経つとその上に新しい若木が育つことで、山にしま模様のような景色ができるのです。森が少しずつ世代交代している証であり、自然の“いのちの循環”を感じられる場所でもあります。

縞枯山荘・縞枯山

青い屋根がかわいい縞枯山荘

　坪庭から樹林帯へ入ると、足元の土が柔らかくなり、シラビソとコメツガの林が音を吸い込みます。やがて青い屋根の縞枯山荘へ。長く伸びる木道もあいまって、かわいらしい雰囲気が漂います。時々岩混じりの急登があり、息があがります。

縞枯れた森が近くで見える

　道中は見どころがたっぷり。登山道の脇には、先ほどまで遠くに見えていた縞枯れ現象の幹や、コケ、シラビソやコメツガの幼木などが見られ、ふっと疲れを忘れさせてくれます。

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視界の開けた茶臼山

　縞枯山から40分ほどで茶臼山へ。平坦な場所もあれば、急な坂を登る場所もあります。道はよく整備され、要所の木道が歩幅を整えてくれます。茶臼山の展望台に出ると、蓼科山や車山、北横岳など八ヶ岳の山々や麓の街並みが視界いっぱいに見渡せます。

眺望の良い茶臼山

　派手な絶景ではありませんが、標高2300m台ならではの落ち着いた眺めで、山の地形の広がりや森林の密度を実感できます。休憩や行動食をとるのにちょうどいい場所です。しかし、筆者が訪れた日は風が強く、ここでの休憩は断念しました。視界が開けた場所だからこそ、風の強さには要注意です。

11月の北八ヶ岳はもう冬！　しっかり保温・凍結対策を

　北八ヶ岳の初雪は、例年早ければ10月中旬。2025年11月2日現在、北八ヶ岳ロープウェイの公式SNSアカウントで少しの積雪が報告されています。また朝夕は、冷え込みと風で体感温度がぐっと下がります。

11月からは雪や凍結、寒さに注意

　その日の気温や天気にもよりますが、保温性のあるベースレイヤーに長袖シャツ、フリース、そして上に防風性のあるシェルを羽織るとよいでしょう。下半身は、厚手のトレッキングパンツに加え、雪が入らないように薄手のゲイターをつけるのがベターです。また、休憩用に軽量ダウンを一枚足すだけで、寒さを防いで穏やかに山を楽しめます。

　足元はミッドカット以上の登山靴が安心。凍結に備えて軽アイゼン（またはチェーンスパイク）をザックに忍ばせておきましょう。日没は早めになるため、ヘッドランプも必須。ロープウェイの運行は季節で変わるため、事前にインターネットや現地の掲示板を確認しておきましょう。

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