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configureスクリプトの全オプション
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Configurationファイル内ではその他の設定として、コンパイルを実行するもののApacheには組み込まないモジュール設定をする指定や、make時のオプションも指定しておく項目がある。
しかしこれらは一般に使われないし、make時のオプションはconfigureスクリプトを実行した際にほとんどが自動設定されるため、明示的に指定する必要はない。
Configureファイルを必要に応じて書き換えた、もしくは何も書き換えずに次に進むには、同ファイルをスクリプトとして実行する。
configureスクリプトが行う大きな役割は、実行されたプラットフォーム環境を判断し、コンパイルに必要なオプション設定を自動取得することだ。そのため、基本的には何もオプション設定をせずに次のようにConfigureスクリプトを実行するだけでほとんどの環境設定が行われる。
しかし、インストール先を標準の/usr/local/apacheディレクトリ以外に変更したい場合や、モジュールの有効、無効を切り替えたい場合には幾つかのオプション指定が必要になる。
configureスクリプトが対応するオプションをTable 4に示した。
Table4■configureスクリプトに付加させるオプション
■一般オプション |
オプション |
意味 |
--quiet--silent |
メッセージを表示しないで実行する |
--verbose-v |
詳細メッセージを表示して実行する |
--shadow[=DIR] |
特定のディレクトリ下をビルドする際、その処理を隠す |
--help-h |
configureスクリプトのヘルプを表示する |
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■インストール先オプション |
オプション |
意味 |
--show-layout |
インストール先のパス情報を表示する |
--with-layout=[F:]ID |
インストール時のディレクトリレイアウトを(ファイルFで指定された中の)ID項目に合うように設定する |
--target=TARGET |
make時のターゲットをTARGETに指定する |
--prefix=PREFIX |
アーキテクチャに依存しないファイルを保存するルートとなるディレクトリ位置。標準では、/usr/local/apache |
--exec-prefix=EPREFIX |
アーキテクチャに依存するファイルを保存する、ルートとなるディレクトリ位置を指定する。標準は、--prefix値と同じ |
--bindir=DIR |
ユーザーのバイナリファイルインストール先のディレクトリを、DIRに指定する |
--sbindir=DIR |
管理者のバイナリファイルインストール先のディレクトリをDIRに指定する |
--libexecdir=DIR |
ライブラリなどのバイナリファイルのインストール先のディレクトリをDIRに指定する |
--mandir=DIR |
manページのインストール先ディレクトリをDIRに指定する |
--sysconfdir=DIR |
Apache設定ファイル(httpd.conf)のインストール先ディレクトリをDIRに指定する |
--datadir=DIR |
読み取り専用のデータファイルインストール先のディレクトリをDIRに指定する |
--iconsdir=DIR |
読み取り専用のアイコンファイルインストール先のディレクトリをDIRに指定する |
--htdocsdir=DIR |
HTMLのドキュメントルートをDIRに指定する |
--manualdir=DIR |
オンラインドキュメントのインストール先をDIRに指定する |
--cgidir=DIR |
CGIプログラムを格納するディレクトリをDIRに指定する |
--includedir=DIR |
インクルードファイルのディレクトリをDIRに指定する |
--localstatedir=DIR |
地域情報設定ファイルを保存するディレクトリをDIRに指定する |
--runtimedir=DIR |
ランタイムデータ(プロセスIDファイルなど)を保存するディレクトリをDIRに指定する |
--logfiledir=DIR |
アクセスログファイルを保存するディレクトリをDIRに指定する |
--proxycachedir=DIR |
プロキシのキャッシュディレクトリをDIRに指定する |
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■ルールモジュールオプション |
オプション |
意味 |
--enable-rule=ルール名 |
Configurationファイル内の指定ルールを有効(yes)にする |
--disable-rule=ルール名 |
Configurationファイル内の指定ルールを無効(no)にする |
--add-module=FILE |
FILEで指定されたモジュールをコピーして有効にする |
--activate-module=FILE |
FILEで指定されたすでにコピー済みのサードパーティ製のモジュールを有効にする |
--permute-module=N1:N2 |
モジュールN1とN2の順序を入れ替える |
--enable-module=NAME |
NAMEで指定されたモジュールを有効にする |
--disable-module=NAME |
NAMEで指定されたモジュールを無効にする |
--enable-shared=NAME |
NAMEで指定されたモジュールをDSOとして組み込めるようにコンパイル |
--disable-shared=NAME |
NAMEで指定されたモジュールをDSOとして組み込めるようにしてコンパイルしない |
--with-perl=FILE |
PerlインタプリタをFILEにする |
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■インストールオプション |
オプション |
意味 |
--with-port=PORT |
httpd.conf中のポート番号をPORTに設定する |
--without-support |
サポートツールのインストールをしない |
--without-confadjust |
ビルド後のhttpd.confファイルなどの環境ファイルをコンパイルオプションに合わせた形に合致させない |
--without-execstript |
execstript機能を無効にする |
--server-uid=UID |
実効ユーザーIDをUIDにする |
--server-gid=GID |
実効グループIDをGIDにする |
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■suExec機能に関するオプション |
オプション |
意味 |
--enable-suexec |
suEXEC機能を有効にする |
--suexec-caller=NAME |
suEXEC機能のユーザーをNAMEにする |
--suexec-docroot=DIR |
suEXEC機能のルートディレクトリをDIRにする |
--suexec-logfile=FILE |
suEXEC機能のログファイルをFILEにする |
--suexec-userdir=DIR |
suEXEC機能を適用するユーザーディレクトリをDIRにする |
--suexec-uidmin=UID |
suEXEC機能によって実行するユーザーのユーザーID最小値をUIDにする |
--suexec-gidmin=GUD |
suEXEC機能によって実行するグループのグループIDの最小値をGIDにする |
--suexec-safepath=PATH |
suEXEC機能によって実行できる安全なバイナリが格納されているとみなすディレクトリをPATHにする |
--suexec-umask=UMASK |
suEXEC機能でスクリプトを実行するときumask値をUMASKにする |
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■推奨されないオプション |
オプション |
意味 |
--layout |
推奨されないオプション。--show-layoutと同じ |
--compat |
推奨されないオプション。--with-layout=Apacheと同じ |
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