2001年1月4日,Linuxの新しいカーネル「カーネル2.4.0」がリリースされた(1月31日には2.4.1,2月22日には2.4.2がリリース済み)。このLinux How-To「カーネル2.4アップグレードガイド」では,既存のLinuxディストリビューション(Red Hat Linux 6.2 /Turbolinux 6.0 /Vine Linux 2.1)のカーネルをカーネル2.4にアップデートする方法について解説していこう。

カーネル2.4の新機能を知ろう

 カーネル2.4では,さまざまな機能が追加された。おもな機能は次の通りである。

・最新のCPUに対応

 IA64やS/390,SuperHなどの新CPUに対応した。また,Pentium4やCurusoeプロセッサなどへの最適化オプションが用意された。

・各種デバイスドライバを標準で用意

 カーネル2.2では別途用意されていたデバイスドライバの一部が,標準で含まれるようになった。

・プラグ&プレイの本格的なサポート

 デバイスドライバの構造が変更されて,動的なデバイスドライバのインストールに対応した。これにより,本格的なプラグ&プレイ環境が実現する。

 たとえばUSB機器を,電源を入れたまま抜き差ししたりすることができる(カーネル2.2でもUSB機器はサポートしていたが,電源がオンのまま抜き差しすると不安定になることがあった)。また,今となってはあまり使われることはないだろうが,ISAバスのプラグ&プレイもサポートされた。たとえば,今までバルクのNICを利用していて,インストール時に自動認識されなかったという人には朗報かもしれない。

・PCカードのカーネルサポート

 従来までLinux上でのPCカードは,pcmcia-csと呼ばれるデバイスドライバが利用されていた。この機能がカーネルに統合化された。

・USB機器のサポート

 カーネル自体がUSB機器をサポートするようになった。マウスやキーボードを始め,スキャナやプリンタ,サウンドデバイスなどのUSB機器も利用できる。ただし,スキャナやプリンタ,サウンドデバイスの場合には,デバイスドライバが対応していなければ利用できない。

・IEEE1394のサポート

 カーネル2.4では,IEEE1394もサポートされた。しかし,対応するデバイスドライバの提供はまだ少ない。

・最大64Gバイトの搭載メモリをサポート

 カーネルによるシステムの制限が緩和されて,大規模なシステムでも動作するようになった。カーネル2.4では,最大64Gバイトまでのメモリを認識することができ,またマザーボードに搭載される複数のIO-APIC(I/O割り込みコントローラ)もサポートするようになった。


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