メールソフトでPGPを利用する

○メールソフトでの使用

 メールソフトを使用する際にも前述した手順で暗号化や復号を行えばよいが,使用しているメールソフトによってはプラグインを組み込むことなどで,さらに簡単に暗号化できる。たとえば「Outlook」や「Outlook Express」,「Eudora Pro」などであれば,PGPインストール時にプラグインを選択しておくと,メニューにPGPの項目が追加され,それを使用して暗号化可能だ(写真22)。

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写真21■インストール時にはOutlookとOutlook Expressのプラグインは,デフォルトでOnになっている。このほかにもICQのプラグインなどがある

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写真22■インストール後はメール作成画面に鍵のアイコンが表示されているはずだ。いちばん右のアイコンをクリックすればPGPKeysの画面が起動するほか,いちばん左の「Encrypt Messages」でPGPによる暗号メールが作成できる

 使用しているメールソフトのプラグインがあれば,それを利用するほうが楽でよいだろう。しかしプラグインがない場合でも,クリップボードを使用すれば,メールの暗号化・復号化はそれほどの負担にはならないはずだ。なおMacintoshの場合は,使用したいアプリケーションでPGPメニューを表示させることができる。

●重要なメールはPGPで安全性を高めよう

 駆け足で解説してきたため説明不足な部分も多々あるかと思うが,メールの暗号化は思っている以上には難しいことでも面倒なことでもない。たまに「PGPは面倒だから使わない」ということを耳にするが,実際に使用してみると驚くほど簡単であることが分かるはずだ。

 PGPメールを送るためには,確かに相手にもPGPを使用してもらわなければならないので,面倒な部分はある。しかし重要なファイルやデータをやりとりする相手には,使用を促すことも必要だろう。また言うまでもないが,PGPで作成した鍵の管理には注意すべきである。

 冒頭で触れたメールの盗聴も,はじめはひっそりと行われていたが,被害が多くなるにつれてユーザー側の防御意識は向上しつつあり,対策もとられている。メールの盗聴も他人事と安心せず,最低限のセキュリティ対策は行っておくべきだろう。今回はメール盗聴の具体的な手法には触れていないが,インターネットで検索すれば,盗聴方法を解説したサイトが見つかるはずだ。

 さて,迷惑メール,メール爆弾など4回にわたりメールの安全性について考えてみたが,まだまだいろいろなトラップがある。メールは普段使用することが多いコミュニケーションツールであるがゆえに,それを使用したイタズラや攻撃はあとを絶たない。まずはメールの基本を理解し,安全性を向上させていただきたい。

[TTS,ITmedia]

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