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Chapter 7:プレゼンテーション層の構築

head2.gif 7.8.1 請求書情報ウィンドウのフォーム
 ではまず,Fig.7-103に示した請求書情報ウィンドウをフォームとして作成してゆく。

●フォームの新規作成
 今回は,請求書情報ウィンドウのフォームはFormBillという名前で実装し,Fig.7-105のように構成するものとする。なお,FormBillフォームはMDI子ウィンドウとする。

Fig.7-105 FormBillフォームの画面構成
fig7_105

 FormBillフォームの構造は,すでに実装したFormSlipフォーム(Fig.7-86)によく似ている。請求書は操作できる項目が少ないため,FormSlipフォームに比べて配置されているボタン類は少ない。

 FormBillフォームに配置した各コンポーネントの役割は,次のとおりである。

[削除]ボタン
 請求書を削除する。なお,削除された請求書は復帰できない。この操作は,AllAdminロールまたはAccountingAdminロールに属するユーザーしか実行できない。  
[印刷]ボタン
 請求書を印刷する。このボタンが押されたときには,Fig.7-102に示したFormPrintSelectフォームを表示し,どのように請求書を印刷するのかをユーザーに尋ねることにする。  
[手動請求書一斉作成]ボタン
 日付を入力させ,その日を締め日とする請求書を作成する。請求書は,WindowsScriptingHostとタスク機能を使って毎日自動で作成するのだが(「6.6.2 請求書の作成」を参照),そのスクリプトの処理に異常があったときに備え,念のため手動で請求書を作成する機能を用意しておく。このボタンは非常時に用いるものであって,常用的な利用は考えていない。この操作は,AllAdminロールまたはAccountingAdminロールに属するユーザーしか実行できない。  
[最新の情報に更新]ボタン
 サーバーと再接続し,DGrid_Billデータグリッドに最新の情報を表示させる。  
[検索]ボタン
 左側にあるテキストボックス(TXT_SEARCHテキストボックス)に入力された内容と合致するレコードを検索する。検索対象となる列は,その下にあるドロップダウンリストボックス(COMBO_SEARCHFIELDコンボボックス)で選択された列とする。また,[上]ラジオボタン(OPT_UPラジオボタン)と[下]ラジオボタン(OPT_DOWNラジオボタン)を使って,検索方向を指定することができる。  
[表示項目]ボタン
 DGrid_Billデータグリッドにどの列を表示するのかを設定するウィンドウ(Fig.7-17を参照)を表示する。  
[絞り込み ]チェックボックス
 チェックを有効にすると,[絞り込み設定]ボタンで設定した絞り込み条件が有効になる。  
[絞り込み設定]ボタン
  DGrid_Billデータグリッドの表示項目をどのように絞り込むかを設定するウィンドウ(Fig.7-106)が表示される。  
[送付]ボタン
 選択された請求書の状態を「送付ずみ」とする。今回は,1つの請求書の状態を「送付ずみ」にするだけでなく,ユーザーが選択した全請求書の状態をいっせいに「送付ずみ」にする機能も提供する。  
[送付取消 ]ボタン
 選択された請求書の状態を「送付まえ」に戻す。今回は,1つの請求書の状態を「送付まえ」に戻すだけでなく,ユーザーが選択した全請求書の状態をいっせいに「送付まえ」に戻す機能も提供する。  
[入金確認]ボタン
 選択された請求書の状態を「入金ずみ」とする。  
[入金確認取消]ボタン
 選択された請求書の状態を「送付ずみ(入金まえ)」に戻す。  
[明細]ボタン
 請求書明細情報ウィンドウ(Fig.7-104)を表示する。  
DGrid_Billデータグリッド
 登録されている請求書情報の一覧を表示するDataGridコンポーネントである。Business.BillコンポーネントのGetBillsメソッド(List 6-186)を呼び出して取得したADODB.Recordsetオブジェクトと結び付けることで,請求書を一覧表示する。DGrid_Billデータグリッドに表示する列の設定は,Table 7-42のとおりとする(設定方法については「7.4.3 顧客の一覧参照」を参照のこと)。なお,いくつかの列フィールドに対しては,プロパティの[形式]ページで書式を設定した(Fig.7-57を参照)。たとえば,小計,消費税,合計の各欄では,3桁ごとにカンマで区切って表示させるようにしている。
Fig.7-106 絞り込み条件を設定するウィンドウ
fig7_106

Table 7-42 DGrid_Billデータグリッドの列の割り当て
インデックスキャプション(Caption対応するフィールド(DataField可視(Visible
0請求書番号IDTrue
1顧客番号CUSTOMERIDFalse
2顧客名CUSTOMERNAMETrue
3締め日(開始)STARTDATETrue
4締め日(終了)ENDDATETrue
5小計SUBTOTALTrue
6消費税TAXTrue
7合計TOTALTrue
8送付ずみSENDBILLFLAGTrue
9入金ずみPAIDFLAGTrue
10入金確認者SUBMITUSERTrue
11入金確認日SUBMITDATETrue
12摘要MEMOTrue
13作成日MADEDATETrue
14作成者MADEUSERFalse
15最終更新者LASTUSERFalse
16最終更新日LASTDATEFalse
17削除ずみDELETEDFLAGFalse
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