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Chapter 8:プレゼンテーション層の構築
Chapter 8...
プレゼンテーション層の構築
〜IISとASPによるWeb用ユーザーインタフェースの構築〜
近年は,インターネットを経由してビジネスアプリケーションを使えるようにしたり,アプリケーションを配布する手間を削減したりするために,ユーザーインタフェースをWebで構築する需要が増えている。 そこで本章では,Web環境で動作するプレゼンテーション層のアプリケーション(以下Webアプリケーション)を作成する方法について説明する。
8.1 IIS 5.0の設定
Windows 2000でWebアプリケーションを構築するには,IIS 5.0(Internet Information Services 5.0)を使う。ここではまず,IIS 5.0上の各種設定について説明する。
8.1.1 IIS 5.0の概要
IIS 5.0を設定するには,[インターネットサービスマネージャ]を用いる。インターネットサービスマネージャを起動すると,デフォルトで[既定のWebサイト]と[管理者Webサイト]という2つのツリーがある(Fig.8-1)。
Fig.8-1 インターネットサービスマネージャ
●サイト
IISにおける「サイト」とは,Webサーバーのルート(ホームディレクトリ)となる場所のことを指す。
デフォルトでは,[既定のWebサイト]がTCPポート80番に割り当てられており,“http://サーバー名/”で呼び出される。これに対して[管理者用Webサイト]は,TCPポート5779番に割り当てられており,“http://サーバー名:5779/”で呼び出される。一般に,新しいWebサイトを構築する場合には,[既定のWebサイト]のなかにWebサーバーで公開したいコンテンツ(HTMLファイルや画像ファイル,実行するスクリプトなど)を配置する。
詳細は「8.1.3 サイトのプロパティ」で説明するが,[既定のWebサイト]はC:\inetpub\wwwrootフォルダに,[管理者用Webサイト]はC:\WINNT\System32\inetsrv\iisadminフォルダに,それぞれ割り当てられている。よって,“http://サーバー名/”としたときにはC:\inetpub\wwwrootフォルダの内容が,“http://サーバー名:5779/”としたときにはC:\WINNT\System32\inetsrv\iisadminフォルダの内容が,それぞれアクセスしてきたクライアントに送られることになる。
デフォルトでは,[既定のWebサイト]と[管理者用Webサイト]という2つWebサイトしか用意されていないが,[インターネットサービスマネージャ]管理ツールの[操作]メニューから[新規作成]−[サイト]を選択すると,サイトを増やすことができる。
サイトを増やすという作業は,主に(1)特別なTCPポート番号を使ってWebサーバーを立ち上げたい,(2)Windows 2000 Serverに複数のIPアドレスを割り当て,そのそれぞれのIPアドレスごとに異なるコンテンツを提供するバーチャルWebサーバーを立ち上げたい,といういずれかの要求を満たす場合に必要となるが,その方法についての説明は割愛する。IIS 5.0のより高度な使い方については,IIS 5.0のオンラインヘルプを参照してほしい。IIS 5.0のオンラインヘルプは,http://localhost/IISHelp/として参照することができる。
/IISHelp以下は,デフォルトでローカルマシン(IIS 5.0が動作しているサーバー)以外からは参照できないように設定されている。管理者用のWebページに相当する/IISAdmin以下も同様である。
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