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Chapter 6:ビジネスロジックの設計

6.2.1 新規顧客の登録
●作成したコンポーネントの動作テスト

○テストプログラムの実行
 では,テストプログラムを実行して,正しく動作するかどうかを確認してみる。テストプログラムはVisual Basicで作ってもよいが,ここでは手軽さを優先し,Windows Scripting Hostを使ってVBScriptのプログラムとして実装する。

 List 6-11は,Business.Customerコンポーネントを実体化し,それに備わるAddCustomerメソッドを呼び出して顧客情報を登録する例である。

 List 6-11を実行すると,顧客が顧客情報テーブルに登録される。本当に登録されたかどうかは,Access 2000などを使って顧客情報テーブルを参照して確認してほしい(Fig.6-35)。

Fig.6-35 追加された顧客情報
fig6_35

 なお,当然のことながら,List 6-11を実行するユーザーがBusiness.CustomerコンポーネントのAddCustomerメソッドのプロパティの[セキュリティ]ページで設定したSalesロール,SalesManagerロール,SalesAdminロール,AllAdminロールのいずれかに所属していないと,セキュリティエラーが発生する。このとき発生するエラーは,「書き込みできません」である。セキュリティエラーが発生した場合には,そのエラーがイベントログに記録されるので,それを参照するとよいだろう。

 また,List 6-11は,COMコンポーネントをインストールしたサーバー上で実行することを前提としている。しかし,COM+アプリケーションのエクスポート機能を使ってプロキシのセットアッププログラムを作れば,別のコンピュータにプロキシをセットアップし,その上でList 6-11を実行することもできる。プロキシの設定方法などについては,「4.4 リモートの呼び出し機能」を参照してほしい。

 このように,作成したコンポーネントごと,メソッドごとに動作を検証することは重要である。全体として連携したロジックをデバッグするのは難しいが,メソッド単位でデバッグすれば,どこに問題があるのかを見つけるのが容易になる。

 以下の説明では,コンポーネントやメソッドを導入するたびに動作チェックするという工程は省くが,実際に開発する場合には,要所要所での動作チェックが重要になる。動作チェックにあたっては,Windows Scripting Hostを利用すると便利だろう。

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