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Chapter 6:ビジネスロジックの設計

head2.gif 6.2.4 顧客一覧の取得
 いままでBusiness.Customerコンポーネントに実装してきた,UpdateCustomerメソッド,UpdateCustomer_BILLDAYメソッド,GetCustomerメソッド,DeleteCustomerメソッド,UndeleteCustomerメソッドは,いずれも情報操作したい顧客の顧客番号を指定して操作するというものであった。つまり,操作の対象となる顧客の顧客番号を知らなければ,これらのメソッドを利用することはできない。しかし,人間が顧客を管理する場合には,顧客を顧客番号で扱うことは少なく,一般には顧客名を用いる。そういったことを考えると,たとえば顧客名を指定して顧客番号を返すメソッドなどを実装しておく必要がある。とはいえ,顧客名を指定して顧客番号を返すメソッドを用意したとしても,今度は「どのような名前の顧客名で登録されているのか」を事前に知らなければ,顧客番号を取得することはできない。

 そういった理由から,登録されている顧客を一覧表示し,そのなかから操作したい顧客を選ばせるというユーザーインタフェースを備えるのが普通である(Fig.6-44)。

Fig.6-44 顧客情報を操作するためのユーザーインタフェースの例

fig6_44

 Fig.6-44は,表形式のユーザーインタフェースだが,必ずしもそうである必要はない。場合によっては,リストボックスやチェックボックスで顧客を選択することもあるだろう。しかし,どのような形式でユーザーに表示するにせよ,操作したい顧客をユーザーに選択させるためには,登録されている全顧客を一覧にして返す機能をBusiness.Customerコンポーネントに搭載する必要がある。

 そこで,登録されている全顧客を返すメソッドをBusiness.Customerコンポーネントに実装することを考えてゆく。

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