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Chapter 7:プレゼンテーション層の構築

head2.gif7.4.7 顧客情報の印刷処理
 では次に,顧客情報の印刷処理について説明する。顧客情報を印刷する場合,(1)特定の顧客情報だけを印刷する,(2)登録されているすべての顧客情報を一覧として印刷する,という2通りが考えられる。前者は,FormオブジェクトのPrintFormメソッドを呼び出せば,そのフォームの画面イメージをそのままプリンタに出力できるため,実現は簡単である。この処理はVisual Basicのマニュアルを読めば理解できることなので,今回は説明を割愛させていただく。後者は,いわゆる帳票印刷処理であり,データグリッドコントロールに表示されている内容をそのままプリンタに出力するような形になる。この処理はやや面倒で,たいていの場合,1枚のページには収まりきらないため,適当なところで改ページするといった複雑な処理が必要となる。また,プリンタの用紙サイズに合わせて表の幅や高さを調整するといった必要も生じる。今回は,前者の説明を割愛する代わりに,後者の方法を重点的に説明する。

 なお,Visual Basicはプリンタ出力機能が貧弱であるため,印刷処理はやや複雑になる。Visual Basicの印刷機能を補完するようなさまざまな帳票作成用のActiveXコントロールが各社より販売されているため,本格的な印刷を簡単にすませたいということであれば,それらのActiveXコントロールを使ったほうがよいことを先に指摘しておく。帳票作成用のActiveXコントロールを使えば,罫線を自前で引いたり,フォントの大きさを合わせて文字出力したり,といった泥臭い処理を実装しなくてすむ。

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