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Chapter 1:NetBIOSの基礎知識

1.1.2 NetBIOS over TCP/IP の名前解決順序

 NBTは,ネットワーク環境に応じて効率よく名前を解決するために,いくつかのノードタイプを用意している。すでに述べたように,NBTの名前解決には5つの方法があるが,これらをどの順番で利用するかはノードタイプにより異なる。Windows 95,Windows 98,Windows NTでサポートされているノードタイプは,Table 1-2のとおりである。名前解決手順は解決に成功した時点で終了し,すべて失敗したときにはエラーとなる。

Table 1-2 Windows NT 4.0でサポートされるノードタイプ
ノード 特徴 名前解決手順
bノード ブロードキャストによる名前解決。大規模なネットワークではブロードキャストによるネットワーク負荷が増大する。LMHOSTSファイルに記述がなければ,異なるネットワークアドレスを持ったコンピュータとは通信できない 1) NetBIOS Name Cache,
2) ブロードキャスト,
3) LMHOSTSファイル,
4) DNS
pノード ブロードキャストをまったく利用しない。WINSサーバーが必須となる。WINSサーバーがダウンすると,まったく名前を解決できなくなるおそれがあるので,WINSサーバーの設置計画が必要となる 1) NetBIOS Name Cache,
2) WINS,
3) LMHOSTSファイル,
4) DNS
mノード bノードとpノードの問題点を解決するために開発されたノードタイプである。bノードと異なり,WINSサーバーも利用するので,異なるネットワークアドレスを持ったコンピュータにも接続可能である 1) NetBIOS Name Cache,
2) ブロードキャスト,
3) WINS,
4) LMHOSTS,
5) DNS
hノード WINSサーバーを利用している場合には,最も一般的なノードタイプである。WINSサーバーがダウンしてもブロードキャストで名前解決を試みるため,ローカルネットワークのコンピュータの名前解決には成功する 1) NetBIOS Name Cache,
2) WINS,
3) ブロードキャスト,
4) LMHOSTSファイル,
5) DNS

 Windowsのネットワークでは,bノードとhノードがよく使用される。デフォルトでは,WINSを使用するように設定されているコンピュータではhノードが,それ以外ではbノードが採用される。

 DHCPを使用している場合には,どのノードタイプを使用するかをDHCPサーバー側から指定することができる。

 DHCPを使用していない場合でも,レジストリを変更することにより,ノードタイプを自由に設定することが可能である。Windows NT 4.0では,
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM
\CurrentControlSet\Services\NetBT
\Parameters\NodeType
に対して,Table 1-3の値をREG_DWORDタイプで入力する。Windows 95/98では,HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM
\CurrentControlSet\Services
\VxD\MSTCP\NodeTypeに対して,Table 1-3の値を文字列タイプで入力する。なお,デフォルトではこのパラメータは存在しない。

Table 1-3 ノードタイプを表すレジストリの設定値
NodeTypeの値 設定されるノードタイプ
1 bノード
2 pノード
4 mノード
8 hノード

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