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Chapter 5:Windows 2000の名前解決 〜Active DirectoryとDNS〜

5.1.3 ディレクトリへのアクセス

 Active Directoryの概要は,以上で示したとおりである。しかし,言葉でいくら説明してみても,概念的には理解できるが,実際にどのような使い勝手となるのかは理解できないかもしれない。そこでここでは,実際にディレクトリにアクセスすると,どのような画面が表示されるのか,そこにはどのようなオブジェクトが配置されているのかを,具体例に基づいて説明してゆく。

 Fig.5-3は,Active Directoryでオブジェクトを管理するときに利用する,[Active Directoryユーザーとコンピュータ]管理ツールの画面である。Windows 2000では,すべての管理ツールが「MMC(Microsoft Management Console)」と呼ばれる統一されたインタフェースで構成されている。MMCに任意のスナップイン(アドオンコンポーネントだと考えてほしい)を組み込むことで,実際に利用可能な管理ツールとなる。管理者は,必要に応じてMMCに組み込むスナップインを変更できるうえ,複数のスナップインをMMCに自由に組み込むことができるため,自分の使いやすいように管理画面をカスタマイズすることができる。

Fig.5-3 [Active Directoryユーザーとコンピュータ]管理ツール
fig.5-3

 さて,Active Directoryのオブジェクトを管理するときに利用するのは,[Active Directoryユーザーとコンピュータ]管理ツールである。この管理ツールを起動するには,[スタート]メニューから[プログラム]−[管理ツール]−[Active Directoryユーザーとコンピュータ]を選択すればよい。

 この管理ツールで,OUを作成したり,ユーザーを作成したり,共有フォルダをリーフオブジェクトとしてActive Directoryに登録したりすることになる。Fig.5-3では,“internet”というOUを作成し,そのなかに“Shares”と“Users”というOUを作成し,Sharesに共有フォルダである“DFSRoot”を登録してある。

 注意していただきたいのは,単に共有フォルダを作成しただけでは,Active Directoryのオブジェクトとして登録されないということである。画面のようにActive Directoryのオブジェクトとして登録することで初めて,その共有フォルダはActive Directoryを通じてアクセスできるようになるのである。

 クライアントからActive Direcotryにアクセスするためには,デスクトップ上にある[マイネットワーク]アイコンを開く。すると,Fig.5-4の最初に示した画面が表示される。[ネットワーク全体]−[全内容]−[Directory]と開くことで,ディレクトリである“Active”が表示される。Activeは,本稿で示すサンプルネットワーク上に存在する唯一のActive Directoryドメインである“active.dsl.local.”を表している。[Directory]を開くと,そのディレクトリの内容が表示される。Fig.5-4のうち,最後の画面は,ディレクトリの内容を表示しているところである。ディレクトリ内には,ユーザーやコンピュータ,ドメインコントローラ,作成したOUなどが格納されている。なお,[マイネットワーク]アイコンを開いたあと,[Microsoft Windows Network]を開くと,Windows NTやWindows 95,Windows 98で利用されていたNetBIOSベースのブラウジング結果が表示される。

Fig.5-4 クライアントからActive Directoryにアクセスしたところ
fig.5-4

 Fig.5-5で示した最初の画面は,先ほど作成した“internet”というOUを開いたところである。先に述べたとおり,internetというOUのなかには,“Shares”と“Users”というOUを作成した。ここでは,“DFSRoot”というリーフオブジェクトにアクセスするため,[Shares]−[DFSRoot]の順に開いている。Fig.5-5に示した最後の画面は,実際に“DFSRoot”の内容を表示したところである。

Fig.5-5 共有フォルダオブジェクトの参照
fig.5-5

 ディレクトリには,ユーザーもオブジェクトとして登録されている。Fig.5-6は,[internet]−[Users]を開き,リーフオブジェクトである“Oda Kaoru”というユーザーにアクセスしてプロパティを表示したところである。

Fig.5-6 ユーザーオブジェクトの参照
fig.5-6

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