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head1.gif 個人向けOSとしての資質

 マイクロソフトが公表しているWindows 2000の動作に必要なコンピュータの最低スペックは,次のようになっている。

Table 2 Windows 2000の動作に必要なコンピュータの最低スペック
CPU Pentium 166MHz以上のCPU
メモリ 32Mバイト以上のメインメモリ
ハードディスク  900Mバイト以上の空き容量があるハードディスク

 このスペックを見る限り,Windows 2000の動作環境はかなり敷居が低いようにも感じられるが,実際にWindows 2000を稼働させてみると,かなり高性能なコンピュータを必要とすることに気づく。筆者は,次のようなシステムでWindows 2000の動作を検証したが,残念ながらWindows 98よりも動作が軽いという印象は受けなかった。もちろんこの程度のスペックならば,快適に使えることはいうまもでない。あくまでも,Windows 98と比較してかろうじて重いという感想を持っただけである(体感速度はユーザーの主観に大きく左右されるので,必ずしも当てにはならないと考えるべきだ)。

Table 3 筆者が検証に用いたコンピュータのスペック
CPU Pentium II 500MHz
メモリ 128Mバイトのメインメモリ
ハードディスク  4GバイトのSCSIハードディスク(アダプテックのAHA-2940UWで接続)
ビデオカード Voodoo Graphics Voodoo3 3000 AGP(ビデオメモリ16Mバイト)

 ウィンドウやメニューがわき上がるように表示される独特なユーザーインタフェースにも体感速度を遅くする一因があると思われるが,Windows NTがベースとなっている以上,かなりのマシンパワーを求められると考えるのが妥当だろう。筆者としては,Windows 2000の動作環境に,ある程度余裕を持ったシステム構成をお勧めしておきたい。また,導入するコンポーネントにもよるが,OSだけでもだいたい64Mバイト近くのメモリを消費することから,最低でも128Mバイト程度のメインメモリは搭載しておきたい。これらの点も含めて筆者が考えた,Windows 2000を快適動作させるために必要となる推奨スペックは,以下のとおりである。

Table 4 筆者が推奨するWindows 2000を快適動作させるコンピュータのスペック
CPU Pentium III 450MHz以上
メモリ 128Mバイト以上のメインメモリ
ハードディスク  20Gバイト前後のUltra ATA/66対応ハードディスク
ビデオカード RIVA TNT2またはMillennium G400を搭載したAGP対応ビデオカード(ビデオメモリは16Mバイト以上)

 CPUは,今後の使用アプリケーションを想定してもSSE対応のPentium IIIが望ましい。また,メインメモリは前述のとおり128Mバイトが最低ライン,ハードディスクは価格とパフォーマンスを兼ね備えたUltra ATA/66対応の製品をお勧めしたい。速度を最優先するならば,7200rpmの製品を選択しておきたいところだ。ディスク容量は,執筆時点では20Gバイト前後の製品が最もコストパフォーマンスに優れているようだ。ビデオカードは,DirectXの力をいかんなく発揮できるため,比較的新しい製品を選択したい。価格面から勘案すると,RIVA TNT2(nVIDIA)またはMillennium G400(Matrox)を搭載した製品がお勧めである。DirectX 7のTransformation&Lighting(いわゆるジオメトリ演算)機能を活用することも念頭におくならば,若干高価ながらもジオメトリエンジンをビデオチップに内蔵したGeForce256(nVIDIA)またはSavage2000(S3)を搭載したビデオカードも選択肢に加えたいところだ。

 今回の検証を通して,Windows 2000がパーソナル向けOSとしても十分な資質を備えていることが確認されているので,これらのパーツで構成されたシステムであれば,Windows 2000が快適に動作するのはいうまでもなく,ビジネスアプリケーションからゲームに至るまで,幅広くかつパワフルに対応できることは間違いない。高機能でかつ堅牢なOSを導入したいという欲張りなニーズにも十分耐えうるWindows 2000は,次世代OSの名にふさわしい製品といっても過言ではないだろう。

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