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head2.gif 3.4.3 継承
 基本的にグループポリシーは,「親コンテナ」から「子コンテナ」に継承される。したがって,親コンテナに割り当てられたグループポリシーは,そのコンテナの配下に連なっているすべてのコンテナ,およびコンテナ内に格納されているすべてのユーザーオブジェクトとコンピュータオブジェクトに適用される。たとえグループポリシーの設定が無効になっている場合でも,そのまま無効という設定が継承されることになる。

 しかし,状況によっては,継承されたグループポリシーと,そのオブジェクト自身に設定されたグループポリシーとのあいだで,設定項目が重複・補完・矛盾している場合もある。もし子コンテナに対して明示的にグループポリシーが設定されていて,その設定内容が親コンテナのグループポリシーの設定と異なる(競合する)ならば,子コンテナに設定されているグループポリシーの設定で継承された親コンテナのポリシーが上書きされる。つまり,最も直近に設定されているグループポリシーが優先的に適用されることになる。

 ただし,継承されたグループポリシーと,そのオブジェクト自身に設定されたグループポリシーとのあいだに矛盾がなければ,子コンテナは親コンテナのグループポリシーの設定を継承し,子コンテナのグループポリシーの設定も適用する。たとえば,親コンテナのグループポリシーの設定によって特定のフォルダがデスクトップに配置され,子コンテナのグループポリシーの設定によって別のフォルダが配置されている場合には,デスクトップ上には両方のフォルダが表示されることになる。

Fig.3-23 グループポリシーの継承
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 このように,親コンテナに設定されたグループポリシーは,その子コンテナにも適用されるので,システム管理者のグループポリシーの管理は容易になる。個々のユーザーオブジェクトやコンピュータオブジェクトごとに手作業でポリシーを設定する必要がなくなるので,作業負担も軽減されるだろう。

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