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インストールの準備

 Windows 2000 Serverをインストールするまえに,ハードウェア要件やインストールプログラムの実行要件などについて,確認しておこう。Windows NT Server 3.51やWindows NT Server 4.0などからアップグレードする場合には,アップグレードパスについても確認する必要がある。また,ほかのオペレーティングシステムとデュアルブート構成にする場合は,その前提となる要件についても把握しておかなければならない。

 インストールに先立つ準備は,インストールにあたって無用のトラブルを予防するために必要不可欠の作業である。スムーズにインストールを進められるように,インストールにあたっては慎重に準備を進めてほしい。

iconハードウェア要件

 まず,Windows 2000 Serverのインストールに必要となるシステム要件をTable 1に示す。ただし,Table 1に示した要件は,Windows 2000 Serverを起動させるために必要となる最低限の環境である。つまり,この表で示したとおりの環境にWindows 2000 Serverを導入しても,パフォーマンスなどの点で問題が生じる可能性が高い。十分な性能を得るには,最低でもTable 2に示す要件を満たしたいところである。できれば,SMP(Symmetric MultiProcessing)構成やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disk)構成のコンピュータを用意すると,性能の改善に貢献するだろう。

Table 1 Windows 2000 Serverのインストールに必要なシステム要件
CPU Pentium 166MHz以上のIntelプロセッサおよびその互換プロセッサ
メモリ 64Mバイト以上
ハードディスク 850Mバイト以上+物理メモリの容量×2
Table 2 Windows 2000 Serverの運用にあたって推奨するシステム要件
CPU Pentium II 350MHz以上のIntelプロセッサおよびその互換プロセッサ(最大で,Serverは4CPU,Advanced Serverは8CPU,Datacenter Serverは32CPU)
メモリ 128Mバイト以上,できれば256Mバイト以上(最大で,Serverは4Gバイト,Advanced Serverは8Gバイト,Datacenter Serverは64Gバイト)
ハードディスク 850Mバイト以上+物理メモリの容量×2

 ただし,実際にはWindows 2000 Serverの用途(ドメインコントローラにするか否か,どのコンポーネントを導入するのか,どんなサーバーサービスやアプリケーションを稼動させるか,など)によって,準備すべきシステム要件は異なる。特に,メモリとハードディスクの容量については,Windows 2000 Serverの用途を十分に検討して見積もってもらいたい。

 また,必要とされるハードディスクの容量は,インストール方法によっても変化する。もしFATパーティションにインストールするならばTable 1に示した容量よりも100M〜200Mバイト程度,アップグレードインストールやネットワークインストールならば300M〜400Mバイト程度の余裕がほしい。

 上記以外のシステム要件については,HCL(Hardware Compatibility List)を参照してほしい。HCLは,マイクロソフトのホームページに掲載されているほか,Windows 2000 ServerのCD-ROMにも\SETUPTXT\SRV1.TXTファイルとして収録されている。

 なお,マザーボードのBIOSなどを更新しないと,Windows 2000 Serverが動作しないこともある。コンピュータベンダーマザーボードベンダーのホームページを確認し,自分のマザーボードのBIOSが更新されていないかどうかを確認しよう。ただし,新しいBIOSには不具合が含まれていることもあり得る。トラブル事例が存在しないかどうか,サポート情報などを確認するようにしたい。

 また,すでにニュース系サイトで報道されているように,Windows 2000にはWDM(Windows Driver Model)と呼ばれるデバイスドライバ仕様が採用されている。WDMは,Windows 2000とWindows 98のデバイスドライバを共通化する目的で策定された仕様であり,WDMに基づいて実装されたデバイスドライバであれば,原理的にはWindows 98用のデバイスドライバをWindows 2000でも使用できる。しかし,WDMは比較的厳しい規約であり,デバイスドライバのなかにはWDMの仕様を正しく満たしていないものもある。つまり,Windows 98用のデバイスドライバのなかには,Windows 2000で使えるものもあれば,使えないものもある。現実問題として,Windows 98用のデバイスドライバをWindows 2000でも使えるか否かは,各ベンダーに問い合わせるか,実際に導入して確かめてみるよりほかにない。

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