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見出し はじめに

 Windows 2000のリリースもいよいよ間近に迫ってきた。正式な発売日も,米国で2000年2月17日,日本で同年2月18日となり,事実上の日米同時発売である。出荷バージョンの評価版であるRC (Release Candidate)のバージョンも,米国では9月末に,日本でも10月中旬に「RC2(Build 2128)」となり,テクニカルベータプログラムの参加者にはRC3の提供も開始された。どのベータプログラムに参加しているのかによってRC2の提供時期にはばらつきがあるために一概にはいえないが,少なからぬ読者の手元にはすでにRC2が届いているものと思う。また,RC2は,12月8日を皮切りに,いくつかの雑誌媒体に添付されることが決まっているため,ベータプログラムに参加していなくとも,やがて雑誌などから入手できるだろう。

 RC2の主な変更点は,各種不具合の修正や安定度を増すための改善である。もっとも,RC1(Build 2072)の時点ですでにかなり安定していたので,RC1を使用していた読者が違いを実感することはあまりないだろう。とはいっても,Beta3(Build 2000)と比較すれば確実に安定度は増している。しかし,見た目や操作感についていえば,RC1とほとんど変わっていない。ユーザーインタフェースはBeta3の段階でほぼ固まっていたので,Beta3と比べてもそれほどの変化はない。

 細かく見れば,統一管理コンソールであるMMC(Microsoft Management Console)の操作性が若干変更されていたり(オブジェクトを右クリックするだけで選択もされるようになった。このため,左クリックで選択してから右クリックするのではなく,単に右クリックすればよくなった),デスクトップアイコンの[マイ コンピュータ]や[マイ ネットワーク]の文字列がきちんと一行で表示されるようになったり(RC1までは最後の一文字だけが折り返して表示されるため,見た目が非常に悪かった)といった変更点も挙げられるが,いずれも些細な変更である。Beta3を触ったことがあれば,操作にあたって戸惑うことはないだろう。

 内容的に最も大きな違いといえるのは,alpha版が廃止されたことである。RC1の出荷と前後して報道されたのですでにご存じの読者も多いと思うが,Compaqがalphaプラットフォーム用のWindows 2000の開発とサポートを中止したため,RC2からはalpha版が提供されなくなった。ただし,Support Diagnostic Diskのなかには,なぜかalpha用のデバッグシンボルファイルだけが収録されている。

 Beta3やRC1からユーザーインタフェースの変化がほとんどないことは前述したとおりだが,実際に操作するうえでは,重要な改善点がある。ヘルプやメッセージの翻訳が進んでいることである。RC1までは,ほとんどのヘルプが英語のままだっただけでなく,翻訳されているメッセージも日本語としては不適切だったり状況に適していなかったりと,かなり問題を抱えていた。しかしRC2では,各種ツールのヘルプも含めて多くの部分が日本語化され,メッセージの内容も改善されている。このため,RC1よりも,インストールや操作はしやすくなったといえるだろう。

 この記事では,RC2に基づいて,Windows 2000 Serverで提供される各種新機能のうち,利用頻度が高いと思われるものについて,実際の操作方法も含めて解説する。

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